8株目 今度は王子様ですか?
「前回報告した、ヴェルデリア・フォン・グランツについて新たに分かったことについて報告します。」
宮廷魔導士セレスティンが王宮で報告する。
新たな魔法を緑の魔法としたこと。
使った魔法を報告させたところ、植物を成長させ、花を咲かせたこと。
実際に魔法を使った時には、トマトの種から実を実らせるまで、ほんの数秒で行った。
しかも、無詠唱で願っただけで成し遂げたこと。
どれも規格外で、国で有効に使うこともできる。
例えば、食糧事情で不足が出た時にすぐに対応できること。
反対に、脅威となることも・・・・
あらゆる自然を意のままに操る危険性があること。
これを鑑み、今後も報告を義務化し、監視対象としていくこと。
これを聞き、王は目をつぶりしばらく考えた。
そしてーーーー
「私としては、このまま監視していくが、新たな魔法だけに脅威を感じている。
今後も、反旗を翻すことがないよう、しっかり管理するように。」
そう、命じた。
隣で聞いていた、エドアルト王子が黙って口角を上げた。
「それなら、私がヴェルデリア嬢に近づき、抑止力として努めます。
よろしいですね。父上。」
微笑みながらそう話した。
「よかろう。そなたに任せる。」
王に許可をもらい、笑みを深めた。
(これは、面白い。近づいて様子を見てみよう。)
そんなことを考えながら・・・・
~~~~~ ◇ ~~~~~~
私は家に帰ってきた。
お父様は心配していたが、疲れたので部屋に下がらせてもらうことにした。
「はあ~。なんか今日は疲れたな~。緊張したからかな?」
『よく頑張ったね~。今日はみんなの前で魔力を使ったから疲れたんだよ。
あれだけいっぺんにトマトを実らせればね。』
ハオルちゃんが教えてくれる。
(そうか。魔力を使いすぎると疲れるんだね。)
『でもね。リアちゃんだけだからね。他の人には、植物の成長なんてできないんだからね。』
私を規格外だというハオルちゃん。
(だから、監視対象になっちゃうんだよね。ちょっとやりすぎちゃったかな?)
『そんなことないよ。だって、無価値じゃないもの。むしろ、誰よりも価値があるんだよ。』
ハオルちゃんは、私の一番の味方だ。
私は、そのまま夕飯も食べずに眠ってしまった。
次の日ーーー
(どうしてこうなった?)
先ぶれが届き、なんと王子がうちに来てしまった。
「ヴェルデリア嬢、私はエドアルトだ。
これから君の魔法についていろいろ教えてほしい。」
そう言って、私の手を取り、唇を寄せる。
ひぃーーーーーーっ
私は思わず手を引こうとした。
しかし、王子の力は強く、抜くことはできなかった。
(いきなりなにーーーーーい)
金髪に茶色の瞳。
つまり、土属性でかなりの魔力量のようだ。
ーーーーそんなことより、超イケメン!!!
もう近くにいるだけで、ドキドキが止まらない。
そんな人が私の手の甲に唇を寄せるなんて・・・・
もうそれだけで倒れそうーーーー
何でも、王子は昨日の報告を聞き、私にかなり興味を持ったらしい。
「少しでいいから、君の魔法を見せてほしいな。」
素敵な笑顔で、そんなことを言ってくる。
(本当は見せたくないけど・・・・こんなの、私に断れるわけないよ。)
私は、庭に案内した。
そして、成長途中の花に向かって両手を組み、大きくなって花を咲かせるように願った。
願った通り成長し、すぐに花を咲かせた。
一本だけだったため、それほど魔力を使わなかったのか、昨日みたいに疲れは感じなかった。
それを見た王子は
「聞いてはいたけど、実際に目で見てみると本当にすごいね。
これは、これからも君をしっかり見ていかないといけないね。」
値踏みするような視線を向け、すぐに笑顔に戻った。
(なんか、間違ったかな~。)
そう思ったけど、やってしまったことは仕方ない。
その後、王子はまた来ると言って満足げに帰っていった。
「この力・・・やはり放置できないな。
だが、思ったより・・・面白い。」
そう言っていたとは・・・・・
え~
また来るの~?
これって逃げられないやつでは・・・・・?




