70株目 二人のその後
「聖女様。今日は薬草作りをお願いできますか?」
魔導協会の方から声がかかる。
「ええ。構いませんよ。」
私は、薬草畑に移動して植物魔法を使う。
(ハオルちゃん。お願いね。困っている人のために薬草を実らせてね!)
私は、あれからもずっとハオルちゃんが近くにいるような気がして、いつも声をかけるようにしている。
すると、あっという間に薬草がすくすくと伸びていく。
「いつ見ても、素晴らしい魔法ですね。本当に助かります。」
その後、みんなで薬草を摘んで、魔導協会に戻ってきた。
「せっかくだから今日中にポーション作りもやりましょうか?」
私が提案すると、後ろから声がかかった。
「ヴェル。ダメだよ。一日に植物魔法は一回だけって約束したよね?」
エド様が私の肩に手を置いて、目をしっかり合わせてくる。
「でも、薬草作りはすぐにできてしまうので、ポーションくらい・・・」
私もそのくらいでは、全然疲れないので簡単にできそうなのだ。
「それでも!!ポーション作りは後日にして、一緒にお茶をしよう。少しだけ時間がとれたんだ。」
エド様も毎日公務に忙しくしている。
それでも、少しでも時間が空くと私のことをお茶に誘いに来る。
まるで、私が無理をしないように見張っているみたい。
もう私はそんなに無茶はしないのに・・・・
私の周りには、過保護な人が多い。
護衛のカイル様は、私の近くにいて、ちょっとがんばろうとするとすぐに止めに入る。
私のこと本当によく見ていて、ちょっと体調を崩しているのを隠していてもすぐ見つかってしまう。
どうして、そんなにわかっちゃうのかな?
植物の魔法つながりだったりして・・・と疑ってしまう。
エド様も、お茶や食事に誘いに来る。
どんなに忙しくても、朝食と夕食は必ず一緒の席に着く。
私のしたいことを優先させてくれて、その上で私を守ってくれている。
いつも私のそばで、私を一番理解してくれている。
王様や王妃様も私の仕事をなるべく減らすように目を光らせてくれている。
そして、私を自分たちの娘として温かく迎えてくれている。
もちろん、私の家族も。
会うたびに、私の体調を気にして声をかけてくれる。
絶対的な味方。
安心できる場所。
私は公務は最小限で、聖女として薬草やポーションを作ったり、魔導協会に顔を出したりしている。
私が作った薬草を使うと、光の術者の方が作ったポーションでもかなり薄めても使えることが分かった。
更に、私もポーション作りをする。
私が作るとかなりの量を作成でき、かなり薄めることもできる。
これで、かなり安定してポーションを確保できるようになった。
今では、貴族だけでなく、この国全体にもある程度いきわたるようになってきた。
「この国のために本当にありがとう。それでも、無理だけはしないでくれ。」
「そうよ。リアちゃんは大事なお嫁さんなんだから・・・
そうだわ。もっと私ともお茶しましょう。」
王様も王妃様も私を大切にしてくださる。
「母上。ダメですよ。私だってヴェルとずっと一緒にいたいのにあまり時間がとれないんですから。」
エド様は毎日私と会っているのにそんなことを言う。
「お茶なんてちょっとの時間じゃないの?私もかわいいリアちゃんとおしゃべりしたいのよ。」
「やっと結婚して、独り占めできるかと思ったのに思わぬところに敵はいるものですね。」
エド様ったら王妃様に向かって、敵だなんて・・・
こうして、みんなに大切にしてもらえてーーー
私はとても幸せに過ごさせてもらっている。
それも、全ては”植物魔法”から始まった。
今なら自信をもって言える!
私の植物魔法は”価値のある魔法”だと。
そして、たくさんの周りの人によくしていただいた。
これからも、王太子妃、王妃としてこの国のために尽くしていきたい。
エド様と一緒に・・・・・
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~エドアルトside
数年後
今日は、市井に出ている。
「王子様。聖女様のおかげでこの町に出た病気が大きく流行らずに済みました。
たくさんのポーションの無料配布本当にありがとうございました。」
「聖女様に、ぜひ私の作った織物ですが、お礼にお渡しください。
私の病気もすっかりよくなりました。
本当にありがたいことです。」
「これ、うちで採れた果物です。今、甘くてとても食べごろです。
うちの息子も元気を取り戻しました。
聖女様には感謝してもしきれません。」
ヴェルは、どこに行っても”聖女”と言われ、みんなに感謝されている。
それも、何の見返りもなく、誰にでも援助の手を差し伸べるからだ。
更にヴェルはよく、町の慈善事業にも積極的に顔を出している。
ヴェル自身も市井に赴くことに忌避感が全く無く、むしろ進んで行きたがる。
もうこの国に、無くてはならない人となっている。
いや、絶対に必要な人だ。
とにかく、無理をさせないように私がしっかり守っていきたい。
ヴェルは、誰かのためになるならば、すぐに無理をしてしまうから。
大切にしたい。
その上で、幸せに過ごしてもらいたい。
そのためなら、何でもできる。
ヴェルごとこの国を守っていく。
これからもーーーーー
ずっと・・・・・・
ーーーーーヴェルがそばにいる限り
いつもお読みいただき、感謝でいっぱいです。
このお話もとうとう明日で完結です。
本当にありがとうございました。




