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68株目 パーティー後の生活




私は、パーティーの後卒業までの短い間、学園生活を思いっきり楽しんだ。


初めのころは周りから『聖女様』と声をかけられ、温かく接してもらった。


でも、やはりせっかくの学園生活。


友達と楽しく過ごしたい。


今までと変わらずに、ベルやライベルト様、イアン様は接してくれた。


だから、他の皆さんにも聖女としてではなく、リアとして接してもらうようにお願いした。


一番驚いたのが、ディート様だ。


今まで、ほとんど話もしなかったはずなのに。


「私も、みんなと同じようにリア嬢と呼んでもかまわないだろうか?


よければ、私のこともディーと呼んでほしい。」


と、いつもの傲慢さのかけらもなく不安そうに聞いてきた。


リアと呼ばれることは、了承したけれど、ディー様とは呼べなかった。


エド様に、いつの間にか報告が行っていて、呼び出されたからだ。


(私の行動、誰か見てるの?)


そう思ったけれど、素直にエド様のところに向かった。


「ヴェル?私以外の男性のことを愛称で呼んではいけないよ。約束だからね。」


そう言われてしまった。


「婚約者がいるにもかかわらず、軽率に行動して申し訳・・・・」


私が、謝ろうと思っていると・・・


「ヴェル。言い方が悪かったね。


謝ってほしいんじゃないんだよ。


ヴェルは魅力的だから心配なだけなんだよ。


だから、もっと安心できるくらい仲を深めよう!」


エド様はそう言うと、私の隣に来てそっと私の手を握った。


「これからは、二人の時は敬語禁止だよ!席も隣!!分かった?」


そう言って、私の顔を覗き込む。


(ち、近い!それよりも手!!!恥ずかしい!!!!)


「エ、エド様?ちょ、ちょっとそれは、難しいかと・・・・」


私がしどろもどろになって伝えると。


「敬語禁止って言ったよね。お願いだよ。」


エド様ったら、悲しそうに私を見ている。


「わかり・・・分かったわ。ふ、二人の時だけで・・・だよ。」


私も慣れなくて、あたふたとしてしまう。


「ふふっ。ヴェル。かわいい。」


エド様ったら何というキラキラとした笑顔。


(まぶしい!!)


そして、おもむろに私の手を持ち上げ、甲の部分に優しく唇を寄せた。


「愛してる!」


(いや~~~~~~)


もう、私は胸の奥がドキドキと高鳴って下を向いてしまった。


「ん、んんっ!殿下。リア嬢はまだ婚約者ですので・・・・」


後ろの方から、護衛のカイル様の声がかかる。


(えっ。カイル様いたの?・・・ということは全部見られてた~~恥ずかしい~~~)


私は、お暇する挨拶もそこそこに王宮を後にした。



エドは、真っ赤な顔で逃げるように帰るヴェルを嬉しそうに見つめていた。


 


~~~~~ ◇ ~~~~~




明日は私の18歳の誕生日。


そして、その日は私とエド様の結婚式の日でもある。



私は学園を卒業してから昨日まで、王太子妃教育も忙しく、なかなかゆっくりできる日がなかった。


だから今日は、家族だけで過ごす大切な一日だ。


「あ~なんて早いんだ!


18歳になった途端に結婚だなんて・・・・」


お父様が、悲しみに暮れている。


「もっと娘とお茶会やパーティーにも出たかったわ。


こんなにきれいになって・・・・」


お母様は、私の顔を優しく見つめる。


「嫌なことがあったら、すぐに帰ってくるんだぞ。


兄様が守ってやるからな。」


レオ兄様は私の頭を優しくなでる。


「リア姉様は、ずっと僕だけの姉様ですからね!」


クラウスもずいぶん大きくなって私の背を超えようとしているのに、いつまでもかわいいことを言ってくれる。


「私は、この家に生まれて、本当によかったです。


植物魔法なんて、誰も知らない未知の魔法だったのに、家族だけは私を守ってくれました。


”無価値な魔法”なんて思わずに、”私”を大事にしてくれました。


私は、この家族みんなが大好きです。


今日まで本当にありがとうございました。


無茶ばかりする娘でごめんなさい。


そして、これからもよろしくお願いします。」


私も、家族みんなに感謝の言葉を伝えた。


「やだ~。嬉しい言葉だけれど、余計に寂しくなるわ~」


お母様は、私を優しく抱きしめてくれた。


「やっぱり明日はやめて、もう少し後にしないか~~~~」


お父様は、後ろの方で声を上げてうなだれている。


「これからも無茶しないか、見張らなくちゃいけないな?カイル殿頼めるかな?」


兄様が声をかけると、部屋の隅の方にいたカイル様が前に出る。


「もちろんです。ハオル様にも頼まれていますから、私の命に代えても・・・・」


「カイル様!ご自分の命はご自分のためにとお願いしたでしょう?大切になさってくださいね。」


私はすかさず念を押した。


「リア嬢を最大限守りながら、そういたしましょう。」


カイル様は、私が結婚しても私の護衛として仕えてくれることになっている。


結婚するので今後は自由にしてもらってもかまわないとお話しても、討伐の褒賞としてもらったものだからと聞いてくれなかった。


「リア姉さま!無理はしないと約束だよ。僕はもう、あんな姉さま見たくないからね!」


クラウスは、私に向かって怒るように見つめてきた。


「約束します!無理はしません。」


なんか、また私一人が叱られる雰囲気になってきたので素直にうなずいた。



そうして、私の家族との大切な一日が過ぎていった。



明日は、とうとう結婚式。


本日あと1話投稿いたします。

完結まであと3話お付き合いくださるとうれしいです。

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