67株目 正式な婚約 エドアルトside
ーーーーあのパーティーの日から
ーーーーヴェルデリア嬢の涙を見てしまった日から
私は・・・私の世界は・・・ひどくつまらないものになってしまった。
ヴェルデリア嬢のことを考えたくなくて、仕事を詰め込んでみる。
なのに・・・ふと考えてしまうのはーーー
やはり、ヴェルデリア嬢のこと。
誰を選ぶのだろうか?
もし、私でないのならば・・・・・・・
ヴェルデリア嬢は、誰かのものになってしまう。
私の隣には、もういないーーということだ。
そんなことは考えたくない!!!
あ~。今日も眠れない。
そうして、ただ仕事を忙しくこなす日々を送り。
とうとう連絡が来てしまった。
ヴェルデリア嬢が王宮に、私に報告に来る日が。
もう、決まってしまうのか?
もしかしたら、二人で話すのはもう最後かもしれない・・・
そう思うと、先延ばしにしたくなる。
一日でも長く、仮でもこの婚約者候補のままでいたい。
それでも、先延ばしにするにも限界がある。
返事を書かなければ。
その日を決めなければ。
そうして、最大限に伸ばしに伸ばして会う日を決めた。
その日は、前の日から何も手につかず、仕事をしていてもミスをしてばかり。
もう、だいぶ寝不足も続いている。
顔を合わせるのがこんなにつらいとは・・・
出迎える意気地さえなく、遅れて部屋へ向かう。
会うのがこんなに怖いなんて。
それでも、顔を合わせた途端。
不安とともに会えた喜びもある。
さあ、覚悟を決めて・・・と思ったところでどうやら倒れてしまったようだ。
気づいたときには、ベッドの上だった。
なんとも情けない姿だ。
ヴェルデリア嬢がポーションをもって来た。
いい加減、覚悟を決めなくては。
そう思って、ポーションを飲めばーーー
ヴェルデリア嬢のポーションのすばらしさに驚きを隠せない。
認めたくはないが、オルフェウスがポーションを望む気持ちも理解できた。
しかし、それよりもヴェルデリア嬢の素晴らしさだ。
なかなか会おうとしない私を心配して、ポーションを飲ませてくれる。
やはり、離したくないな・・・そんなことを考えていたら、奇跡が起こる。
「寂しいんです。
”ヴェル”って呼んでもらえなくなってから。
距離を置くって言われてから、泣くほど悲しかったんです。
家に帰ってからも・・・涙が止まりませんでした。
ーーーだから
私、気付いたんです。
私が、この世で一番お慕いしているのは、エド・・」
夢ではないのだろうか?
いや、もう夢でも構わない。
この機を逃すわけにはいかない!!
とにかく、明日きちんと公爵家に婚約の挨拶に行くことを約束した。
ヴェルが帰ってから私はしばらく放心状態だった。
夢ではないのか?
確かにポーションを飲んだり、話したりしたよな。
それより、明日の準備をしなければ。
喜ぶのは、正式に婚約が決まってからだ。
そうは、思うがルーカスにからかわれてしまった。
「嬉しそうだな。エド。顔がにやけているぞ!」
そんなことはないはずなのに・・・ないだろうな?
~~~~~ ◇ ~~~~~
そうして次の日。
グランツ公爵家に向かうと、何と家族全員に迎えられた。
グランツ公爵と話すものだと思っていたから少し驚いた。
「殿下。今日はどういったご用件かな?」
グランツ公爵は眼光鋭く、私を見つめる。
「はい。昨日、ヴェルデリア嬢とお互いの気持ちを確かめ、私の方から正式に婚約を申し込みにまいりました。」
私は、緊張しながらも公爵をしっかり見つめた。
「それは、リアが言ったから言われるがままに来たのかい?」
兄のレオポルト殿に試されるような視線を投げかけられた。
「いえ。私の意志でヴェルデリア嬢と婚約したいと思ってまいりました。」
正直に答える。
「それは、リアをちゃんと愛してくれるってこと…?」
公爵夫人も私に確認してくる。
「もちろんです。私は、今でもヴェルを愛しています。」
私がそう答えると、ヴェルは真っ赤な顔を隠すように両手で覆ってしまった。
「リア姉さまをもう泣かせない?」
弟のクラウス殿も口を尖らせながら言う。
「ああ。約束する。ずっと大事にする。」
そう答えると、ヴェルが悲鳴を上げる。
「もう、やめてぇ~~」
「大事なことだから、ちゃんと聞くんだ!
私たち家族が証人だよ。
これからは、リアを無理させずに、大事にしてほしい。」
公爵もヴェルのことは相当心配しているのだろう。
私もしっかりと約束した。
「今後、無理はさせません。私がヴェルを守ります。」
「最後に、もう一つ約束してほしいんだけど・・・・
結婚してもたまには、家族水入らずで過ごす時間も確保してほしい。」
レオポルト殿から提案された。
はっきり言って、約束したくない。
結婚したら、ずっとずっと隣にいてほしいから・・・
どうしようか?
考えていると・・・・
「王子妃や王妃となったらそんなこと言っていられないでしょう?
その時には、王宮に会いに来てください。
もう、さっきから・・・エド様のこと、困らせないでください!」
ヴェルが家族に向けて、拳を握ってかわいい抗議をする。
ヴェル、ありがとう。
「いつでも、王宮においでください。歓迎します。」
私は、ほっとして笑顔で答えた。
そうして、公爵の許しを得てーーー
晴れて、私たちは婚約する運びとなった。
本当に幸せだ。
ヴェルはこれからも、私の隣にいてくれる。
一つだけ、納得できないこと。
本当は、すぐにでも結婚したいところだが・・・・
ヴェルが18歳になるまで待たなければならないことだ。
はあああああ~~ 長すぎる~~~~~~
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
このお話もあと4話で完結となります。
明日は、2話投稿いたします。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。




