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63株目 セシル王子side



この前まで留学していたヴェスト国に得体のしれない生き物が出て暴れている話は聞いた。


地方の騎士団も全滅するほどの強さらしい。


今まさに、ヴェスト国の一大事。


嫌な予感がした。


単純に我が国への心配ではない。


愛するリア嬢に何もなければいいが・・・・



そう思っていたら


やはり!


討伐するために必要なポーションを作り、倒れてしまったと・・・


もう、落ち着いてはいられなかった。


エドアルト王子は、もう無理はさせないと約束したのに。


リア嬢が心配だ。


しかし、隣国の王子が勝手にヴェスト国に向かうことはできない。


その上、他国の王子の婚約者候補を奪うことも。



だから、手紙を書いた。


エドアルト王子とリア嬢に。


私が、本気でリア嬢を王子妃としてオスト国に招きたいと思っていることを。


もちろん、父上にも了解を得ている。




しばらくして・・・・


エドアルト王子から、返事が届いた。


今までのエドアルト王子の自信に満ちた言動とは、雰囲気が違う返事だった。


そこには、やっとリア嬢が目覚めたこと。


そして、婚約者の決定権をリア嬢にゆだねること。


リア嬢が決めるまでは、とにかく待ってほしいと珍しく真摯にお願いされた。



これは、もしかしたら本当に私にも・・・・・


不謹慎にも、期待に胸が膨らんだ。


ーーーもし、願いが叶うなら。


リア嬢を大切にして、無理な魔法は使わせない。


リア嬢が幸せに暮らせるように、心穏やかに暮らせるように、心配りをしていこう。


そう、心に決めた!




そうして、過ごしていたある日。


リア嬢からの手紙が届いた。


開く瞬間ーーーー


緊張から指先が震えた。



リア嬢の手紙には、リア嬢の飾らない本心が綴られていた。


学園での生活が楽しかったこと。


私の言動がリア嬢にとってうれしいものであったこと。


リア嬢は、本当に聖女のような人だ。


国のためには、自分の犠牲をいとわない。


犠牲になりながらも


その国の人たちを好きだという。


そして、そんなリア嬢が選んでしまった。


慕っている人が、エドアルト王子だと。


ーーーー私ではない・・・・・



選ばれたエドアルト王子がうらやましい。


私を選んでほしかった。


本気で愛していたから。



でも、



それでも、君が望むなら



元クラスメイトとして、これからも・・・・



ーーー友好を深めよう・・・



君が、関係を絶たない限り、



私も君を見守るよ。




でも、何かあったら


その時は絶対!助けに行く。


友人として。




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