6株目 突然の呼び出しです
そうして数日静かに過ごしていたつもりだったけど・・・・
お父様から、書斎に呼び出しがあった。
(・・・・・もしかして)
(グランツ家には必要ないって、言われるのかな?)
心配になったが、行くしかない。
恐る恐る書斎のドアをノックする。
「リアです。お父様。入ってもよろしいでしょうか?」
「リアか。入っておいで。」
書斎に入るとお父様がソファーに移動して座るように言われた。
「リア、よく聞いてほしい。
リアの魔法は今まで存在しないものだったね。」
お父様は、静かに
ーーーでも、私をいたわるような視線を向けて話し出す。
「あれから、魔導協会から連絡があってね。
緑の光が見えただろう。
それで、お前の魔法は緑の魔法と名付けられたんだ。
でも、その使い方については何もわかってはいない。
私も調べてみたけど、今までそんな魔法はなかったからね。」
(お父様は、私を見放したのではないのかな?)
(実は、私を心配してくれていたの?)
「それで、お前には酷かもしれないが・・・・
新しい魔法として、魔導協会の方からの監視がつくことになった。
これは、グランツ家としても拒否できない。
魔導協会の決定だ。」
(えっ。監視!常時見張られてるの・・・・それは・・・・)
私は、周りをきょろきょろと見回してしまった。
「大丈夫だよ。魔力は発動されると痕跡が残るからね。
魔法の大きな動きがない限り、見張られることはないよ。」
「あっ・・・」
私は、先日植物を大きく育てて花を咲かせてしまったことを思い出した。
(・・・・・じゃあ、あの時の魔法も全部知られているってこと?)
「どうしたんだい?その顔は、何か思い当たることがあるんだね。」
「ごめんなさい。
実は、一回だけどんな魔法か試したことがあって・・・・」
私は、大事になりませんようにと願いながらお父様を恐る恐る見る。
お父様は、小さいため息をついて、思い切ったように話す。
「あの、庭の花を咲かせたのは、リアだね。
庭師からも報告があったよ。
種をまいたばかりのところなのに、もう普通じゃないほど大きく育ったって。
しかも、たくさんの花まで咲いている・・・・
何かあったとしか思えないからね。」
(やっぱりばれていたんだ。)
「魔導協会でも魔法発動の事実に気づいて、調査がされたんだ。
それで、明日魔導協会に赴いて報告することになった。
守ってやれなくてすまない。
本来なら、こんな形でお前を表に出したくはなかった。
でも、なんとしても一緒に行くから。」
お父様は、そう言って私の頭をぽんぽんと優しくたたいた。
不安だった気持ちが、それだけで少し和らいだ気がした。
「明日は、よろしくお願いします。
でも、何を話せばいいんですか。」
(何か対策はできないだろうか。心の準備もしたい。)
「事実を話せばいい。
どうやったら、魔法が使えてどうなったのか・・・
実際にやってみることも求められるかもしれないな。」
お父様は、私に監視がつくことにまだ納得できていないのか、渋面を作っている。
(私は明日に向けて何を準備すればいいんだろう?)
(自分でもこの力については、ほとんどわかっていないのに・・・)
重い足取りのまま、部屋に戻った。
「ハオルちゃん、どうしよう?
私の魔法、魔導協会の人にばれちゃった。
明日、みんなの前で魔法を見せなくちゃならないかもしれない。
大丈夫かな?」
私は、一気に話した。
だって、頼れる人はハオルちゃんしかいない。
『リアちゃん。それならババ~ッと魔法を使ってリアちゃんのすごいところを見せちゃえば。
だって、リアちゃんのこと価値がないなんて言ってた人もいたんでしょう?
リアちゃんはすごいんだから、全部見せればいいんだよ!
でも・・・・・・人間って、すごすぎると怖がるんだよね。』
ハオルちゃんはこの緑の魔法について悪く言われたことにかなり腹を立てていた。
(そうなんだけど、本当に見せちゃって大丈夫かな?
ただでさえ、今までに前例がないのに・・・
明日、この家に帰ってこられるのかな?)
私は、不安で返事ができないでいる。
『じゃあ、ちょっと役に立つところを見せたらどう?
驚かせすぎるのが怖いんでしょう?
だったら、役に立つ植物を種から育てるとか・・・
それなら、リアちゃんの魔法が役に立つってわかるよ。』
「そうか。分からない魔法だから、みんなは怖いんだね。
役に立つことをちょっと知らせればいいんだ。」
(・・・・全部は見せない。)
(でも、”価値がある”ってことだけは、絶対に証明する。)
私は、明日やることを考えることに夢中になって気づかなかった・・・・
ーーーその行為が、いろいろな人にさらなる興味を持たせてしまうことに。




