57株目 目覚めてから
お医者様が帰られてから、家族から眠っていた時のことを聞いた。
私は、あのエクストラポーションを完成させてすぐ意識を失ったこと。
そして、その後・・・
やはり前回と同じくおばあさんのような見た目になったと聞いた。
それも、今回は5日間。
前回ハオルちゃんの説明で聞いた。
1日おばあさんの見た目になったとき、10日寝込み、1年寿命が縮んだこと。
今回は5日おばあさんの見た目になったため、50日程度寝込むのではないか、そして、寿命は5年縮んだのではないかと予想されたこと。
それでも、あくまで予想だ。
みんな本当に50日で目覚めるのか?
もしかしたら、このまま・・・・・
と、かなり不安になっていたとのことだった。
「本当に、生きた心地がしなかったのよ。」
お母様には何度も言われた。
50日って見ている人にとっては、かなり長く感じられるのですって。
だから、今日私が目覚めて、本当に嬉しかったとみんなに言われた。
「それより、討伐はどうなったのですか?」
私が気になって聞いてみると・・・・
「はあ~~~~~っ
それよりじゃないよ。
リアの命より大切なことなんてないんだからね!」
お父様にも怒られてしまった。
それでも、仕方なしに教えてくれた。
傷つけても自分で治してしまうほどの未知の強さの生物だったらしい。
それでも、カイル様がポーションを飲み、騎士団、魔術師団、アイゼンシュタット公爵みんなの協力でどうにか討伐できたということだった。
その上、今回は誰一人欠けることなく、元気に帰ってこられたことは奇跡に近いと言われていたらしい。
驚いたのは、その”一番の功労者”が私だということ。
「いやいやいやいや。私じゃないでしょう?
実際に倒したカイル様ではないの?」
私が言っても、カイル様や騎士団、魔術師団の全員が私だと言い張っているらしい。
ひええ~~~~~~
私が眠っている間にそんな話になっているなんて・・・・
起きていたら、断固阻止できたのにいいいい。
私が目覚めて元気になったころにーーーー
討伐成功を祝ってのパーティーが開かれるのだそう。
「私を待っていなくてもよかったのに・・・・」
私がそう言ったら、みんなに
「主役がいなくちゃダメでしょう!!」
と怒られてしまった。
なんか、起きてから結構怒られている気がする・・・・
そうしているうちに、
「もう、リアは目覚めたばかりだから安静にって言われたばかりでしょう?
いつまで話しているの。
もう寝なさい!」
また、お母様にも怒られてしまった。
解せぬ。
一人になってーーーーー
(ハオルちゃん?)
心の中で呼んでみる。
(私、ハオルちゃんのおかげで無事目覚めたよ。
ハオルちゃんはどこ?
いるんでしょう?)
・・・・・・・・・
返事がない。
あれは夢ではなかったの?
眠っているとき、最後に聞こえた声。
『ずっと一緒にいるからね。ありがとう・・・・』
ハオルちゃんはそう言っていた。
信じられなかったけど、何度声をかけても目覚めてからは一度も声が聞こえない。
その事実にーーーー
ハオルちゃんがもう見えない事実にーーーー
ハオルちゃんの声が聞こえない事実にーーーー
気づいてしまった。
今まで考えないようにしていたけど・・・・
気づいてしまったら・・・・
ーーーー私の目からは
次々と涙があふれてくる。
そして、ベッドに悲しみのシミを作っていく。
止まらない。
転生して不安だったその時から。
ずっとずっと私の近くにいてくれた。
いつも、私を励ましてくれた。
本当に大事な大事なお姉さんのようなハオルちゃん。
私が無理ばかりしちゃったからかな?
私を助けたからハオルちゃんが代わりに・・・・・?
ーーーーごめんなさい。
私が、静かに泣いてると・・・・
私の近くに見守るように置いてあったハオルチアの鉢が。
優しく緑色に光った気がした。
そうじゃないんだね。
ハオルちゃん、今までありがとう。
いっぱいいっぱい助けてもらって、本当にありがとう。
私こそ、ハオルちゃんが大好き!!
私、これからも植物を大事にするよ。
声は聞こえないけど、見ていてくれるよね?
いつまでも一緒にいてくれるよね?
ハオルちゃん!
これからもよろしくね。
私は、一生懸命心の中でハオルちゃんに話しかけた。
私の最後の涙が・・・・
ハオルチアの鉢に落ちた途端。
キラキラと輝いて、ハオルチアが喜んでいるみたいだった。




