56株目 リアの目覚め
『リアちゃん!リアちゃん!!
よく頑張ったね。
もう大丈夫だよ。
これからもずっとそばにいるからね。
ーーーー忘れないでね。
大好きだよ・・・・・』
暗闇の中にぽっと緑色に明るい灯がともった。
私は、そこに視線を向ける。
「えっ。その声はハオルちゃん?
私・・・・生きているんだね。
ありがとう。ハオルちゃん。
これからもよろしくね!」
声をかけたけど、姿は見えない。
それどころか、声も聞こえなくなった・・・・?
「?あれ?ハオルちゃん?どうして返事してくれないの?ハオルちゃ~~ん!」
必死に叫ぶけど、返事がない。
緑の光だけが私を包み込む。
温かい、温かい光。
(あれ?誰?)
「ヴェル?起きて!討伐成功だよ。君のおかげだよ。」
エドアルト王子様?
「リア~~。早く目覚めて!お願い。」
お母様?
「リア嬢!約束通り帰ってきましたよ。
今度は、リア嬢の番ですよ!」
カイル様?
「リア姉さま!僕です。クラウスです。お父様もお母様もお兄様もいます。」
私の家族。
「ヴェル?お願いだ。目覚めてくれ!君のいない世界はつまらないよ。」
また、エドアルト王子様?
「ヴェル!早く会いたい!」
「ヴェル。君にエドと呼んでほしいんだ。」
「ヴェル・・・・・愛している。」
(きゃ~~~~~あ~~~~~~!)
(ちょっとエドアルト王子様~。恥ずかしすぎます・・・・)
私が、手で顔を覆いたいと思った時ーーーー
「!今!今、手が動いた!!握っていた手が・・・・」
エドアルト王子様の声が聞こえる。
ゆっくりと重い瞼を開けていくとーーーー
そこには、私を心配そうに見つめるエドアルト王子様が・・・・
「やっと目覚めたんだねっ・・・・・ううっ。」
王子様が泣いている。
「どう・・・」
のどがカラカラで声にならない。
「取り乱して、すまない・・・
今、医者を呼ぶ。
待っててくれ!」
そこからが大変だった。
お医者様の前に、私の家族がまるで突撃してくるような勢いで入ってきた。
「リアちゃん。心配したのよ。」
お母様は私の手を取って泣いている。
「全く。一人で無理して・・・一つも大丈夫じゃないだろう!」
お父様もお兄様も怒りながら泣いている。
「リア姉さま~~~~~え~~~~~ん。」
クラウスは、私に張り付いて離れない。
「ちょっと。皆さん。気持ちはわかりますが、まずは診察させてください。」
お医者様も困っている。
私は、のどを触って声が出ないことを知らせた。
「これは、君が飲むべきものだよ。」
お医者様は、すぐに緑のポーションを出してきた。
「それでは、私がそれを飲ませましょう。」
なんと、家族の後ろから王子様が言う。
「いや。それは、家族の役目だよ。兄さまが飲ませていいよな。」
「僕が飲ませる~」
何の喧嘩だろうか?
「そんな場合ではないだろう?医者として私が飲ませます。」
そう言ってお医者様がポーションを飲ませてくれた。
すぐに体中に力が湧いてきた。
ようやく、意識もしっかりとしてきた。
「皆さん。ご心配をおかけしました。
おかげさまで元気が出てきました。」
私がそう言うと、
「全然大丈夫じゃないですよ。何日眠っていたと思っているんですか?
今日で50日ですよ。
50日!
大変なことなんですよ。
少しは、自覚してくださいね。」
お医者様にもしこたま怒られてしまった。
「さあ。目覚めたばかりですので、あまり無理してはいけません。
徐々にですよ。
とれるだけの栄養をとったら、またゆっくり横になっていてください。
絶対安静です!」
またですか・・・・・
仕方ない。
「今日は、ヴェルが目覚めて本当によかった。
王宮にも報告しておきます。
明日、また来ます。
ヴェル・・・おやすみ。」
とてもやさしく私の手を取って唇を寄せて帰っていった。
起きたばかりなのに・・・・
全く心臓に悪いですよ~~~~~
また、倒れたらどうするんですか~~~
私は心の中で叫んでいた。




