53株目 エクストラポーションをつくります
私は、事前にハオルちゃんに種をもらっていた。
ハオルちゃんは頭の冠の部分から5粒の種を取り出した。
『リアちゃん、ずっとついているからね。
私がリアちゃんを守るから、しっかりね。
ーーーーリアちゃん。
大好き・・・・・』
なんか、ハオルちゃんはいきなりそんなことを言い出した。
「私も、大好きだよ。
でも、なんか永遠の別れみたいなこと言わないで。
ずっと一緒にいるんだから・・・」
私も、緊張してきてハオルちゃんと一緒に頑張るつもりで話した。
『そうだね。ずっと一緒だよ。ずっと・・・・・』
そこから、ハオルちゃんは姿を消し、頭の中に話しかけてくるようになった。
~~~~~ ◇ ~~~~~
もう時間がない!
私は、ハオルちゃんから渡されていた5粒の種を大切に地面に植えた。
私の近くにはお父様とお母様、そしてレオン様、エドアルト王子がついている。
王様と目を合わせた。
私は大きくうなずくと・・・・・・
(お願いします。強い生き物を倒す力が与えられるポーションを作りたいの。
そんな植物を育てて!)
私が、心の中で願った途端ーーー
すごい勢いで私の中から魔力が種に向かって流れていく。
「これは・・・・・すごい!!」
「なんという力だ!」
そして、薬草がぐんぐん伸びる中
私は立っていられなくなって倒れそうになる。
「リア!!!」
分かっていても、驚いたお母様の声。
「ヴェル!」
そう呼んでくれるのは、エドアルト王子・・・
すぐに、隣にいたお父様とレオン様で私をしっかり支えてくれた。
お医者様がすぐに私の鼻の辺りを拭いてくれた。
拭いてくれたものが真っ赤に染まっている。
「お願いよ。元気になって。」
お母様が泣きそうになりながら、光の魔法を私にかけてくれる。
事前に準備していた、ポーションを飲ませてもらう。
これも、ハオルちゃんが協力してくれて一緒に作ったポーションだ。
それを飲んだ途端ーーー
体がほんのり温かくなり、意識がはっきりしてくる。
私は、すぐさまポーションを作る部屋に準備されたベッドに横になる。
(まだ、まだ意識をしっかりもたなくちゃ。ポーションを作るまでは・・・・)
その頃、庭ではーーー
庭師たちが一斉に薬草を素早く摘んだ。
すぐに、王とディート様が目くばせをする。
そして、新種の薬草の近くに待機していたディート様が闇魔法を発動する。
「闇の精霊よ。我に力を与え給えーーーーーー」
その途端。
新種の薬草は、みるみる痩せて色あせていく。
そして、茶色く変色し、からからに乾いて力なく地面に倒れ込んだ植物しか残らなかった。
これで、確実にこの植物は息絶えた。
さらに、魔導士の中でも火魔法を使えるものがその植物を根っこごとしっかり燃やしきった。
あとには、何も残らなかった。
薬草はすぐさましっかり洗われて、ポーションを作る部屋で刻まれ始めた。
お湯が沸かされた鍋に薬草が入れられる。
誰もが無言でその鍋を見つめる。
そんな中、王子様が私に近づき、私の手を取った。
「ヴェル。
本当にすまない。
私が、何か方法がないか聞いたばかりに・・・・
絶対にあの生き物は討伐するから・・・
だから・・・
だから、絶対に生きてくれっ。
ーーーーーお願いだ。」
私の手を自分の額に当て、目をつぶって懇願してくる。
「まだ、ポーションは出来上がっていませんよ。
最善を尽くしますからーーー
強い魔物を倒してください。お願いします!」
私は、ぎこちないながらも笑顔を作り、そう伝えた。
そうしているうちに、薬草を煮出し終わった。
(さあ、最後の一仕事!)
「では、ポーションを作ります。皆さん、あとはよろしくお願いします。」
私はそう伝えると、横になったまま手を組んだ。
(ハオルちゃん、一緒によろしくね。
どうか、王都に向かっている強い生き物を倒すエクストラポーションを!
そして、何があっても治してくれるポーションをお願いします。)
私が願うと緑の光が鍋に吸い込まれていく。
それと、同時に私の意識も深く沈んでいった。
「ヴェル~~~~~」
王子がまた、リアの手を取ったがその手にはもう力は残っていなかった。




