50株目 ハオルちゃんの存在
誰もが何も言うことができず、涙を流していた時ーーーー
『カイル様
絶対リアちゃんの命は助けるってみんなに伝えて。
リアちゃんも
信じてもらえるように私の存在を伝えてもいいよ!
どうせ見えないんだし・・・・・』
ハオルちゃんが、突然現れてそう伝えてきた。
カイル様が私と視線を合わせてきた。
それを見て、私もうなずいた。
もう、家族にはハオルちゃんの存在を明かそう。
私のこれからの行動を説明するためにも、必要だと思うから・・・・
「今朝は、家族の皆さんにリア嬢の部屋を通ったときに、偶然聞いたお話と言いましたが、実は違うのです。」
カイル様が静かに話し始めた。
「では、誰から聞いたんだ?」
お父様も、訳が分からない顔をしている。
「リア嬢についている植物精霊のハオル様です。」
「・・・・・・・・・・はぁ?何を言っている?」
誰もが不思議そうにカイル様をにらんでくる。
「私から説明します。」
私は、一人一人をしっかりと見つめながら話す。
「私の魔法が植物魔法だと言われたころから、私には植物の精霊のハオルちゃんが見えていました。
ハオルちゃんは私の魔法について様々なことを教えてくれました。
魔法の使い方や植物の育て方、ポーションの作り方まで・・・・
だから、新種の植物なんて作ることができたんです。」
私が大まかな説明をしていった。
「ーーーー精霊なんて、本当にいるのか?
もし、いたとしてもそれはリアにしか見えないんだろう?
どうしてカイル殿が見えるんだ?」
お兄様も、不思議に思ったのか尋ねてきた。
「私も姿は見えません。
それでも、リア嬢に作ってもらったあのポーションを飲んだ日から・・・・
ハオル様の声が聞こえるようになったのです!
だから、昨夜ハオル様の話が聞こえてしまい、リア嬢の計画のことを知ったのです。」
カイル様も必死に説明をする。
「それじゃあ、植物の精霊は本当にこの部屋にいるのね?」
お母様もきょろきょろと辺りを見回す。
「もちろん、先ほども話しかけてきてくださいました。
その時、ハオル様は絶対リア嬢の命は助けるって言ってくれました。」
カイル様は、ハオルちゃんの言葉を伝えた。
「私、このまま何もしないわけにはいかないの。
だって、私の作った新種の植物が原因なんだもの。
それに、植物魔法を使えるのは私だけでしょう?」
私も、必死に説得する。
「だから、リアのせいではないと・・・・」
お父様も必死だ。
「分かっています。
でも、この国の危機ということは
ーーーーーこのままでは、騎士団が向かってもダメな可能性もあるのではないですか?」
私が予想したことを伝えた。
その途端。
お父様が目をつぶり、大きくため息をついた。
「はあ~~~~~~~っ」
「あなた。そうなの?」
お母様もお父様に詰め寄る。
「実際、そのようだ。
王の采配で騎士団、魔術師団とともにアイゼンシュタット公爵も闇魔法で参加することになっている。」
お父様の言葉に、お母様も苦悶の表情を浮かべる。
「だから、私がハオルちゃんに聞きだした方法でやるんです。
更に強い新種の植物を作り出し、それをポーションにするのです。
そのポーションを飲んだ騎士の方の能力がかなり上がるので、討伐できるはずです。」
私が、今回の計画を大まかに話す。
「その新種の植物を作るのは命がけなのではないか?
前回みたいに倒れてしまうのは・・・・」
お父様が心配そうに私を見る。
「それでもやるんです。
この国のために!
ハオルちゃんもきっと私を守ってくれます。」
私は、必死に声を上げる。
「ーーーーもう決めたんですね。
どうしてもやるんですね。」
カイル様が、私と目を合わせる。
「それなら、私がそのポーションを飲んで確実に討伐します。
私は、あなたに忠誠を誓ってます。
私は、あなたの意思を尊重します。」
カイル様が私の前にひざまずいて胸に手を当てる。
「・・・よろしくお願いします。
もし、けがを負われた場合、私の作ったポーションを飲んでください。
きっとけがを治してくれるでしょう。
そして、無事に
絶対に無事に帰ってきてください。」
私は、カイル様の手を取って、しっかりとお願いをする。
「約束します。
だから、リア嬢も絶対に元気になってください。
それが、私が戻る条件です。」
カイル様と目を合わせ、私もうなずく。
「分かりました。
最善を尽くします。」
私も約束する。
「本当に?」
お父様もお母様もお兄様も納得はできないが、精霊の言葉もあり、仕方なしという表情だ。
私は、その後、家族に詳しい手順を説明していった。
私が新種の薬草を育てた後
私の意識があるうちに
薬草を煮出すまで早く確実にできる人を準備してもらって
私が魔法をかけてポーションにすることも。
こうして、計画、準備と進めていった。
ーーーー家族の協力のもとで




