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47株目 自然界に変化の予兆が


「何だこの生き物は?」


「つ、強すぎる・・・・・!」


「誰か、騎士団を要請しろ!!!!」


ーーーー緊迫する現場。


一人だけ、命からがらどうにかその場を離れる。



次の日ーーー


現れた生き物の討伐に向かった地域の騎士団が全滅してしまった。


そして、その生き物は少しずつ王都に向かってきている。





数日後、王都の騎士団に


”今までに確認されたことがないほどの強い生き物”が現れたとの報告が上がった。




~~~~~ ◇ ~~~~~


その頃。


魔導研究所。


「なんで、この植物虫になんか食べられているんだ。


管理はどうなっている!?」


「これやばいんじゃないのか?


門外不出にしなければならないんだろう?


この虫がもし外に出ていれば大変なことになるぞ!」


「そんなこと言っても、想定外だぞ。」


「ん?何騒いでいるんだ?


ーーーーこれは・・・・・・!!!!」



実は、ヴェルデリア嬢に新種の薬草を作ってもらってポーション作りを行った。


その時の薬草を魔導研究所で研究目的に大事に育てていた。


本来虫などつかない温室の中に囲っていたはずなのに・・・


薬草が虫を寄せ付けるのか、葉には虫が多くついていた。


特別な薬草の効果なのか?


その虫も心なしか、見た目が大きい。


「この温室の外に虫が出ていないか、今すぐみんなで調べるんだ。」


それからが、大変だった。


研究所の所員たちみんなで探し回ったところ・・・


最悪の結果をもたらした。


「ーーーーいたぞ!」



この結果からわかることは・・・・・・


特別な強い効き目のある薬草を食べた大きな虫が、他の生き物に捕食される。


そうするとその生き物も他の生き物より何らかの変化をもって強くなる。


それをまた捕食した生き物が・・・


ーーーーこの繰り返しが自然界で行われていけば・・・・・


想像できない強い個体が現れ、


やがて自然界の生き物のバランスが崩れていく。



そう結論付けられた結果を魔導研究所の宮廷魔術師のセレスティンはすぐに国に報告した。


もちろん、薬草についた虫たち見つけたものはすべて焼却処分した。


「やはり、起きてしまったか・・・・・」


アイゼンシュタット公爵は、重いため息をつき、目をつぶる。


「どこまで影響が出ているか分かったものじゃないな?」


「まだこの近辺でだけの小規模なうちにどうにかしないと・・・」




そんな話し合いがされている中に最悪の報告がーーーーー


「大変です。


王都にほど近い場所に”今まで確認されたことのないほど強い生き物”が発見されました。


住民では手に負えず、地方の騎士団に要請がありました。


その騎士団がすぐに向かいましたが・・・・・・


ーーーー全滅してしまいました。


報告によると、どんな傷を負わせようとたちどころに回復してしまう。


しかも、火の魔法の術者が火魔法を浴びせても倒せなかったそうです。」



ひゅっ


その場に集まった人たちからは、息をのむ音しか聞こえなくなった。




ーーーーーやがて


「それってもしかして・・・・」


「いや、まだそうと決まったわけでは。」


ささやき合う声が不安をあおってくる。



「静まれ!」


王が、辺りを見回す。


「ここでただ推測していてもらちが明かない。


セレスティン、どう考える?」


みんな一斉に宮廷魔導士のセレスティンを見る。


「推測の域を出ませんがーーーー


研究所のあの薬草を食べた虫が原因と考えられます。


管理が不十分で申し訳ございませんでした。」


セレスティンは王に向かって深々と頭を下げた。


「今は、責任の所在の話をしているのではない。


今後どう対処していったらよいかの話がしたい。」


王が今度は騎士団長を見る。


「それならば、すぐさま準備を整え、その生き物が出たところに向かいます。」


騎士団長が勇ましく拳を机にたたきつけて話す。


「しかし、対策を練っていかなければ、全滅もありうる。


急がなくてはならないが、何が何でも成功させなければならない!」


「全滅って・・・・・」


集められた重鎮たちも、眉間にしわを寄せ考えあぐねている。


「ーーーーヴェルデリア嬢の薬草から始まったのであれば、ヴェルデリア嬢に解決の糸口を見つけられないか?」


恐る恐る、そんな声も聞こえだす。


「否。こんな国の一大事をまたヴェルデリア嬢一人にゆだねるのは酷だろう。


私は、王子としてそんな判断はしたくない!」


エドアルト王子も断固反対の意思を示す。


「しかし、他に方法がないのであれば・・・・


聖女と名高いヴェルデリア嬢ならあるいは。」


無責任な声も聞こえてくる。


「ーーーーーひとつ。


大事なことを確認したい。


今回のことは、誰の責任でもない。


自然災害的に起きたことだ。


ヴェルデリア嬢はその特異な魔法ゆえに善意で今まで協力してくれていただけだ。


今回のことは、みんなで考え対処していかなければならない。


今回の騎士団の討伐に私も同行する。」


「そんな。アイゼンシュタット公爵自ら?」


今まで、光魔法と真っ向から対立していた形の闇魔法の第一人者の考えに皆が驚く。


王がおもむろに席を立つ。


「よく言ってくれた。


これは、国の一大事だ。


私が今回の指揮を執る。


それでは、これから万全の準備を整え、騎士団は討伐に向かってくれ。


ただ、今回の討伐はかなり厳しいものになることが予想できる。


その上で、協力してもよいと思ってくれるものがいればよろしく頼む。


また、ヴェルデリア嬢には、意見だけ伺いたい。」


王の言葉に、皆が一斉に動き出す。



王子は、ヴェルに伝える役目をたまわった。


しかし、内心は伝えるのをためらわれた。


なぜなら、ヴェルなら、きっと・・・・


心を痛めて、何かをしたいと考えてしまいそうだったから。


(どう伝えたらよいだろうか?)

 

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