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44株目 セシル王子殿下が帰国します


次の日。


王宮には、エドアルト王子、セシル様、私の三人が席に着いた。


なんか緊張感あふれる雰囲気だ。


「本日は集まっていただいて感謝する。」


まず、口火を切ったのはエドアルト王子だ。


「まずはセシル王子。本日話すことについてはまだ内密にお願いしたい。ご了承願えるかな?」


エドアルト王子がセシル様に向かって声をかける。


「何か事情もあるのでしょう。分かりました。口外しないことを誓いましょう。」


セシル様も真面目な顔でうなずく。


「実は、私には婚約者候補が二人いる。


しかし、一人は事情があって辞退していただくことになっている。


そうすると私の婚約者候補はここにいるヴェル一人になる。


つまり、ヴェルはたった一人の私の婚約者だ。


申し訳ないが、国を出すわけにはいかない。」


(エドアルト王子がセシル様の前で”ヴェル”って呼んじゃった!!!)


私は、そのことで頭がいっぱいになってしまった。


すると、落ち着いた声でセシル様が話し出した。


「ですが、まだ予定ですよね。


何度も魔法を使って倒れてしまうような立場において、果たしてリア嬢は幸せでしょうか?


私の国に来ればそのようなことにはさせません。


何せ、リア嬢を心から愛しておりますから・・・」


(キャーーーーーーッ。セシル様ったらいきなり愛してるだなんて!!)


私は、座っているのも落ち着かなくて、心臓が激しく波打つ。


「私だって、ヴェルには、もう二度と無理はさせない。


私の方がヴェルを愛している!」


(や・め・て~~~~!!!!!心臓が壊れちゃうからーーーーー)



どうしてこうなったのだろう??


なんか私の理解の域を超えている。


何も考えられない私を置いて二人はにらみ合っている。



「まあいいでしょう。


私の留学も終わってしまいます。


今回は、諦めます。


でも、次にリア嬢が幸せにならないようなことがあれば、奪いに来ます。


ーーーー必ず!」



そうして、不穏な言葉を残して。


セシル様はオスト国に帰って行かれた。


『モテすぎるのもつらいね。』


ハオルちゃんが何かささやいていたけど、私はもちろん聞いていなかった。




疲れて屋敷に帰ると、1通の招待状が届いていた。


なんと、メアリー様からお茶会の誘いだった。


そこには、仲良しのベルやメアリー様の領地のお友達のライラ様とイライザ様もいるという。


疲れ切った私は、女子会のようなそのお誘いに喜んで参加することにした。




~~~~~ ◇ ~~~~~




女子会の日となった。


メアリー様のお屋敷には、ベル、ライラ様、イライザ様が集まっていた。


なんか皆さん、表情がとても柔らかい。


しかも、お顔もなんか赤い。


「今日はお集まりいただき、ありがとうございます。」


メアリー様がご挨拶をされた。


「メアリー様。ご卒業おめでとうございます。


学園でお会いできないのはさみしいのですが、これからはこのような機会にまた、お話しできればと思います。」


私も、また集まりたいとお願いした。


「私、あのパーティーの後、皆さんとお話ししたいと思っておりましたの。


今日はとても楽しみです。」


ベルも嬉しそうに話す。


「あの~。今日は爵位関係なくお友達としてお話させていただいてもよろしいでしょうか?」


ライラ様が、心配そうに私たちの顔を見た。


「もちろんです。今日は女子会です。楽しくおしゃべりしましょう。」


私も嬉しくなってそう答えた。


「もちろんよろしくてよ。」


メアリー様も賛同した。


「それでは、一番気になっていたことをお聞きしてもよろしいでしょうか?


メアリー様は、卒業パーティーでレオン様とご一緒されていませんでしたか?」


私がそう言うと、とたんにメアリー様が真っ赤な顔になる。


「恥ずかしいですわ。


エドアルト王子様にパートナーのお伺いを立てましたら、なぜかご都合がつかないとか。


それでレオン様をご紹介いただきまして・・・」


もう、それは嬉しそうに両手をほほに添えながら話す。


「それは本当によかったですね。」


大きな声では言えないので、こっそりメアリー様に声をかけた。


「それより、リアよ。セシル様とはどういったことで?」


ベルに詰め寄られる。


「セシル様は卒業と同時に国に帰られるの。


それで、エドアルト王子様にご許可いただき、一緒に参加することになったの。」


私は、告白されたことを除いて事実を伝えた。


「妙にいい雰囲気だったんだけどな~。」


ベルはよく見ている。


「私のことはわかったでしょう!


ベルだって、いつの間にイアン様と仲良くなったの?」


私が聞いた途端、ベルも真っ赤になって落ち着きがなくなった。


「わ、私?別にそんなに、な、仲がいいわけでは・・・・」


(え~照れてるだけ?)


「じゃあ、仲良くないの?」


私がちょっと意地悪な質問をすると。


「仲良くないわけでもなくてーーーーごめん。仲いいです。」


やっと素直に白状しました。


「リアのお見舞いに何度か一緒に行動しているうちに、なんか気が合って・・・」


ベルもこれ以上赤くなれないんじゃないかっていうくらい真っ赤になって、両手で顔を隠してうずくまってしまった。


なんか女子会楽しい~~~!


その後、ライラ様は領地の件でお礼を言っていたあのお茶会の後からライベルト様と仲が良く。


イライザ様は幼馴染の方ともう婚約関係にあると分かって。


みんなですごく盛り上がってしまった。



そうして、メアリー様のお屋敷を後にした。

 


今後もまた、みんなでお茶会を開こうと約束してーーーー

 




~~~~~ ◇ ~~~~~



ーーーーーその頃



魔導研究所 温室では



ある植物の葉に吸い寄せられるように集まる虫たち。



心なしか、成長が早く・・・・



見たこともないほど大きくなっていく。



ーーーーそして、管理のために訪れた研究員の開け閉めする扉から・・・・・

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