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43株目 卒業パーティー



「素敵~!」


エドアルト王子よりドレスやアクセサリーが届いた。


緑色を基調とした素敵なドレスだった。


アクセサリーには、ブラウンダイヤモンドが使われていて落ち着いた雰囲気だ。


ドレスと一緒にカードも届いた。


「かわいいヴェルへ


ーーーーエドより」


それを見た、お母様が「まあ~素敵ね~。」なんてからかってくる。


お父様なんて、


「いつの間にヴェルなんて呼ばれることになったんだ?


私は許可していないのに。」


なんて怒っている。


これみんなにばれちゃって恥ずかしいんだけど。




そうして、卒業パーティー当日。


最初はセシル様がうちまで来てくださるというお話をいただいた。


だけど、私は仮にもエドアルト王子の婚約者候補。


外聞がよくないということで丁重にお断りさせていただいた。


私が、学園のパーティー会場まで着くと、そこにはセシル様が待っていてくださった。


「リア嬢。なんて、きれいなんだ!


誰よりも輝いているよ。


今日は、そんな君をエスコートできるなんて幸せだ。」


そんなことを言われて、私は、恥ずかしくなってしまった。


「ありがとうございます。


セシル様も今日は一段と素敵です。


今日は一日よろしくお願いします。」


私も、きちんとお礼の言葉を伝えた。


「お手をどうぞ。レディ。」


セシル様はさすが王子様。


さりげないしぐさがとても様になっている。


私は、もういっぱいいっぱいでカーッと顔に熱が集まってくる。


恐る恐るその腕に手をかけた。




私は、セシル様にエスコートされながら会場に入っていった。


なんかたくさんの人に注目されている。


(もう絶対顔が赤くなっている!見ないで~!!)


心の中ではそう思っても、背筋を伸ばして入場した。


「今日は、私だけを見て!」


セシル様は、私の顔を覗き込みながら、更に私の顔を赤くさせるようなことばかり言う。


「セシル様は意地悪です!」


私は、セシル様をにらんだ。


「リア嬢は本当にかわいい。」


笑顔のセシル様は本当に意地悪だ。



そうしているうちにパーティーも始まった。


卒業パーティーなので、特に決まったこともなく自由だ。


学園に関係のある人たちは自由に参加できる。


ふと周りを見ると、目を疑う二人を見つけた。


ベルはボランティア体験で一緒だったイアン様と仲がよさそうに話している。


(え~。いつから?今度ゆっくり聞かなくちゃ。)


邪魔しないように声はかけないでおいた。


(そう言えば、メアリー様も卒業だ。今日は誰と参加されるんだろう?)


マナー違反にならない程度に会場を見回すと・・・・・・


「えっ!」


驚きに声が出てしまった。


メアリー様は、なんと想い人のレオン様と参加されていた。


いつもは凛とした姿だが、今日は恥ずかしそうに乙女の顔をされている。


(メアリー様。よかったですね。)


私もうれしくなって笑顔になってしまった。


「私を放っておいて、周りにばかり気をとられているね。


今日は私だけを見てってお願いしたのに・・・・・」


セシル様にそう言われてハッとする。


「申し訳ございません。


知り合いの顔を見つけたものですから。」


私は正直に謝った。


「それでは、一曲踊っていただけますか?」


セシル様は、そう言って優雅に手を差し出した。


「はい。喜んで。」


そうして、音楽に合わせてダンスを踊り始めた。


公爵家の教育でダンスのレッスンもしっかり受けているので踊れることは踊れる。


でも、実際にパーティーで家族以外の男性と踊るのは初めてだったので、緊張してしまった。


指先が震えてしまい、視線も定まらない。


一番に、男性と踊るのが恥ずかしくてたまらない。


だって、前世も含めて親しい男性がいたことないんだもの。


「大丈夫だよ。私がリードするからね。本当に私だけを見てごらん。」


セシル様は本当に優しい。


セシル様の目を見て、リードに任せると自然に体が動いてくるから不思議だ。


「リア嬢。後で少しの時間でいい。二人で話をしたいことがあるんだ。」


そう言って、一瞬真剣な顔になったが、すぐにいつもの優しい笑顔に戻った。



踊り終わって、私たちはバルコニーに向かった。



少し動いたからか、風がとても気持ちいい。


「ーーーーーリア嬢。」


セシル様が、一瞬下げた視線を上げ、私に視線を向けた。


「はい。」


答えた私にも緊張感が伝わる。


「この留学の目的は君だったんだ。


最初は、父上に言われるがまま、君の魔法を求めようとしたんだ。


ーーーでも、君と過ごすうちに


そんなことどうでもよくなっていった。


リア嬢。君のことが本気で好きになってしまったんだ。」


セシル様の表情が苦しそうになる。


セシル様の言葉が心からの言葉だと分かったので、私もどうしていいのか分からなくなる。


「君は、エドアルト王子の婚約者候補。


でも、まだ婚約者。それも候補の段階。


あきらめきれないんだ。


どうか、私とともに私の国に来てくれないか?」


懇願するかのように、私を見つめてくる。


(どうしよう?でも、ここできちんとお話ししなければ・・・)


「ん、んん。セシル王子殿下。


私、エドアルト王子の側近のユリウスです。


申し訳ありませんが、王宮の方で王子がお話があるようです。


ヴェルデリア嬢も一緒にと申し付かっております。


本日はもう遅い時間となっていますので、明日よろしいでしょうか?」


なんかタイミングが良いのか悪いのかうちの馬車も準備ができてしまっているようだ。



誰もいないと思ったら、ユリウス様。



どこから聞いていらっしゃったんだろう?



果たして、明日。



どんな話になるんだろう?


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