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42株目 セシル王子からのお誘い



魔術競技会も終わった。


1年生が終わるまで、セシル様やメアリー様の卒業パーティーがあるくらいだ。


「リア嬢。ちょっといいかな。」


授業が終わった後、セシル様が私に声をかけてきた。


「何でしょうか?」


私が答えると、言いにくいのか一度視線を外し、意を決したように私を見つめた。


「リア嬢。私のパートナーとして卒業パーティーに参加してくれないだろうか?」


「えっ。私ですか?」


驚いて、それしか言えない。


「リア嬢に申し込んでいる。


この一年間同じクラスで協力して取り組んだことも多い。


とても楽しかった。


最後の思い出に、卒業パーティーも君と過ごしたいんだ。」


とても真剣に私に伝えてくれている。


私は、エドアルト王子の婚約者候補。


でも、まだ婚約者ではない。


それに、セシル様は隣国の王子。


最後の思い出と言われたら・・・・


「分かりました。


エドアルト王子様と家族に相談してからになりますが検討させていただきます。」



そうして、まずは家族に相談することにした。


「リアはかわいいからな。


誘いたくなる気持ちもわかるな。」


お父様は最近娘に甘い気がする。


「あら。リアちゃんは誰を選ぶのかしら・・・


楽しみね。」


お母様まで・・・・


まだ誰も選んでいませんよ。


まして、そういう話でもないはず。


(ないよね。ハオルちゃん。)


『そう言うことは、私にはちょっとわからない。


リアちゃんのしたいようにしたらいいよ。


ちゃんと応援するから。』


安定の私ファースト!


「それでは、エドアルト王子様とお話しする場の設定をお願いします。」


私は、お父様を通して王子様と話す機会をいただいた。



お父様にお話ししてすぐにエドアルト王子様と話す機会が設けられた。


なんか、早すぎる気がする・・・



「ヴェルデリア嬢。今日は来てくれてうれしいよ。」


今日は王宮に招待された。


「ところで、セシル王子殿下と卒業パーティーに参加したいんだって?」


王子は、私の意図を図ろうと私の表情をしっかり見つめた。


「参加したいというか、一緒に参加してほしいと誘われましたので、相談しようかと思いました。一応、婚約者候補ですので。」


私が、王子の顔をしっかり見て答えた。


「君自身は、一緒に参加したいのかい?」


「えーと。一緒のクラスで勉強してきたわけですし、最後の思い出にと言われましたので、参加しようかと思いました。」


「・・・・・・・そうか。


それなら、参加しておいで。」


王子は、少し悔しそうに口元を引き結んでから言った。


「婚約者候補なのに、よろしいんですか?」


私が一番気にしていることを伝えた。


「そのことなんだけどね。


私のもう一人の婚約者候補のメアリー嬢のことは知っているかい?


メアリー嬢には、実は想い人がいる。


その想い人の方も私の良く知っている人でメアリー嬢のことを思っている。


でも私の婚約者候補となってからは、絶対にそのことに気づかれないようにふるまっている。


私は、この想い合っている二人を幸せにしてあげたいんだ。


だから、メアリー嬢は今後婚約者候補から外れてもらおうと思っている。


傷のつかない方法で。」


「ーーーーーそうだったんですね。」


私もメアリー嬢の想い人のことは知っていたけど、王子様がそこまで考えていらっしゃったなんて。


「では、なおさら婚約者候補の私がセシル様のパートナーになったのでは、外聞が悪いのではないですか?」


私は、心配になって聞いてしまった。


「本当はい・・


いや。本当はあまり良いことではない。


しかし、確かにまだ婚約者候補だ。


君のお父様にも言われたよ。


学園にいるうちくらいは、ヴェルデリア嬢のしたいようにさせてほしいと。」


(お父様ーーー)


「ありがとうございます。


それでは、なるべく誤解を受けないように行動いたします。


今回はセシル様とパーティーに参加させていただきます。」


私は、そうお伝えした。


「そこで、一つ頼みがある。」


なんか、エドアルト様の雰囲気がちょっと変わった。


「婚約者候補として、誤解を受けない為にも


君には、私からドレスを贈ることにする。」


「そんな、今回はパートナーでもないのに申し訳ないです。」


「いいんだよ。ちょっと周りの人にもしっかり示さなければならないからね。」


なんか、エドアルト王子様は片眉を上げてそうつぶやく。


「それから、君はみんなにはリア嬢と呼ばれているね!


私はずっとヴェルデリア嬢と呼んでいるのに・・・・」


そう言って、少し考えるように言葉を区切る。


「そうだ。誰も呼んでいない”ヴェル”って君のことを呼ぶことにするよ。


婚約者候補だからね。


私のこともこれからは”エド”と呼んでほしい。」


(いきなり。む~り~~。)


「では、かわいいヴェル。またね。」


私は、体中が恥ずかしさで熱くなってしまった。




真っ赤な顔で王宮を去る私を満足げな顔で見つめるエドアルト王子の姿があった。

 

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