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4株目 無価値だと言われた私の魔法



今日はとうとう魔法適性検査の日。


(ついに、この日が来たんだ・・・・・・)


胸が少しだけ苦しい。


もちろん病気のせいではない。


ーーーーー緊張する。


だって、お父様は私の髪色から魔力量がかなり多いことを感じている。


期待が重すぎる・・・・


お兄様まで、素晴らしい結果が出て当たり前だとプレッシャーをかけてくる。


(やめてほしい)


(自分では、どうにもできないんだよ。)


お母様だけが、私を優しく見守ってくれている。



お父様、お母様と一緒に馬車に乗る。


誰もが緊張しているのか馬車の中は無言だった。


ーーーーーー口から心臓が出そう。



魔導協会の大きな会場についた。


どの家族も期待に満ちた9歳の子を連れている。


(しかし、本当に瞳の色って様々だな。)


(色とりどりできれい。)


私が、会場を見回していると、なんとなく視線を感じる。


(そうか、だって私の髪色。かなり魔力が強いことがわかるもんね。)


「えっ。ちょっとあの子の瞳、緑色よ。」


小さな声でも、周りの人の視線が集まってくるのが分かる。


(うわ。さっそく見つかった。)


(注目されるの、得意じゃないんだよな。)


「あんなに魔力がありそうだけど、何の魔法なんだろう?」


みんなの話題が私に集中する。


(見世物じゃないんだけどな。)


目を逸らすこともできず、視線を下に向けて過ごした。


お母様が、そっと背中に手を置いてくれた。


(お母様、ありがとう。)




すると、そこに検査の魔道具が運ばれてきた。


水晶玉の大きいものが台の上に置かれている。


「あの透明な魔法水晶が魔法属性によって色が変わる。


その時の、光の強さによって魔力の保有量が分かるようになっている。」


お父様が分かりやすく説明してくれた。


「結果は、文字や数値になって協会の方から教えてもらえるから安心して。」


お母様も私を安心させるように声をかけてくれた。



早速、検査が始まった。


申し込んだ順に行っていくらしい。


私は、元気になってからということで申し込みがなかなかできず、最後らしい。



初めての魔法を見るということで、ちょっと好奇心が刺激された。



初めの子は・・・


魔法水晶が青色にうっすら光る。


「君は水魔法だね。数値はこの紙に書いてあるよ。」


家族は安心したようにその子を迎えた。


次の子は赤い色に変わり、先ほどより光が強かった。


火魔法になって、周りからも称賛されていた。


そうしてどんどん検査が行われていった。


火、水、土魔法が圧倒的に多く、光や闇は数えるほどしかいなかった。


それでも、特に光の魔法が出ると周りからの声が大きくなっていた。



「ヴェルデリア・フォン・グランツ。」


とうとう私の名前が呼ばれた。


緊張から一歩踏み出すのに時間がかかってしまった。


(お願い・・・・・・普通でいいから)


恐る恐る魔法水晶に触れる。


次の瞬間ーーーー


目を開けていられないほどのまぶしい光!


目を開けると透明だった水晶が深い緑へと変わっていた。



誰も一言もしゃべらない。


ざわざわと空気だけが皆の驚きを表している。



「・・・・・該当する魔法属性は存在しない。」


「つまりーーーー分類不能。価値判断、不可。」



「・・・・なんだよ、それ。」


誰かが思わずささやく。



「現時点においてーーー実用性は認められない。」


その声を聴いた途端、会場はひそひそという話し声と憐れむような視線を向けられた。


お父様を見れば、下を向いて拳を固めている。


(・・・・期待していたんだろうな。)


お母様も私を心配そうに見つめている。


その時、聞こえてきた声。


「グランツ家なのに・・・・」


私も、思わず下を向いて唇をかみしめてしまった。


(・・・・・やっぱり、おかしかったんだ。)


(緑の瞳は変だと思ったんだよ。)


(植物の緑は大好きなのにな~)



ーーーー私がそう思った途端。


誰にも気づかれないまま、


庭園の花々が、まるで息を吹き返すように揺れた。


そして・・・・


ぽん、ぽんと音を立てるように花開いていく。



『リアちゃん、ありがとう。』


(えっ。今の音何?それに誰?)


すると、ハオルちゃんがぽっと現れた。


私は焦ってハオルちゃんにそっと声をかける。


「みんなに見つからないの?」


『リアちゃんにしか見えないから大丈夫だよ。


さっきの音は、リアちゃんの言葉に反応した植物たちの喜びの声。


帰りに見てごらん。


たくさんの花が咲いたよ。』


(えーーーーそんなことが起こるの?)




無価値だと宣告されたような状態の私の魔法。




でもーーー本当にそうなのだろうか・・・・

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