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34株目 ポーションが足りません



光魔法の人たちも作れるようになったポーション。


それでも、普通の人が作れる量には限界がある。


今は、どうにか貴族の人たちに回る程度にはできるようになったけど、


今後病気が流行ったり、大きな争いなどが起こったら必要な量には全然足りない。


オルフェウス先生も私の授業の中でもどうしたらその問題が解決できるか?


いつも考えている。



今日は、私の王都の屋敷に王子様とオルフェウス先生が訪ねてきた。


「ヴェルデリア嬢。元気だったかな?」


キラキラとした笑顔でいつものように手を取ってくるエドアルト王子。


私もだいぶ慣れてきた。


「はい。おかげさまで。今日はどうされたのですか?」


私が聞くと・・・


「今日は、ポーションの大量生産についての相談に来たんだ。」


エドアルト王子は少し決まりが悪そうに話す。



「無理は承知なんだ。


でも、何かが起きてしまってからでは遅いんだ。


準備できる下地が欲しい。」


オルフェウス先生も必死に話す。



私は、こっそりハオルちゃんに相談してみた。


(何か、たくさんの量のポーションができる方法はない?)


『どうしてもっていうなら・・・・


この世界にはない効果の高い薬草を作ってそれをポーションにすればーー


効果が高いから、かなり薄めて大量に作れると思うよ。


・・・・・でも、リアちゃん。


ーーーー私はお勧めしない。


止めた方がいい。』


(せっかくできそうなのに、どうしてだめなの?)


『それは・・・・・・リアちゃんが犠牲になるから・・・


今はまだ精霊界のおきてでそこまでしか言えない。


ーーーーでも、本当にやめて!』


なんか、苦しそうにハオルちゃんが懇願してくる。


(う~ん。どんなことになるのかわからないけど・・・・)



私が一人で考えていると、オルフェウス先生が問いかける。


「どうしたんだい?リア嬢?」


王子様も考え込んでいた視線を私に向けた。


「う~ん。もうこうなったら話すしかないか・・・


実は、ある地方の村で病気が流行りだしたんだ。


その病気の人が爆発的に増えないうちに抑えたくて方法を考えていたんだ。


一生徒の君にまで相談してしまって本当に済まないね。」


王子様も困ったような顔をする。


(う~ん。ハオルちゃんには止められたけど・・・・・


私個人がちょっと犠牲になるだけで済むならーーーー)


『だめ・・』


「それならーーー」


ハオルちゃんに止められそうだったので、私は声を遮って話し始めた。


まずは、効果の高い植物を作り出すこと。


その植物を使ってポーションを作ること。


出来たものを大量の水で薄めればかなりの量のポーションを準備できること。


「リア嬢の魔法は、可能性に満ちているなあ。」


オルフェウス先生はもはや新しい試みに思考を奪われている。


「そんなことができるのか?」


王子様も驚きで目を丸くする。


「私もまだ考えただけですので、できるか分かりません。


後日準備ができたらやってみてもよろしいでしょうか?」


私も、ハオルちゃんからは聞いたけど、まだできるかどうかも分からない。


そんな状態なのに、王子様は感謝の言葉をかけてくれる。


「いつも申し訳ない。


もしできたら本当にありがたい。


よろしく頼む。」


そう言って、頭を下げた。


王子様は、そんなに頭を下げちゃいけないんじゃないの?


「頭を上げてください。


まだ、できるかもわからないんですから・・・・


やってみるだけです。」




『もう。いつもリアちゃんは自分を犠牲にしちゃう!!!


本当に大変なんだよ。


やっぱりやめない?』


ハオルちゃんは、あれからいつまでもそんなことを言う。


「そうですよ。


ハオル様から危ないことをしようとしているって聞きました。


いけません。


王子よりリア嬢のことの方が大事です。


私から王子に直談判しましょうか?」


カイル様まで私を止めようとする。


「止めてください。


私がやるって言ったんです。


とにかく、王子様のところなんかには行かないでくださいね。」


カイル様にしっかりとくぎを刺す。



『ーーーーどうしてもやるの?』


「うん。もう決めた!


私、困っている人をどうしても救いたい。


このまま、できるのにやらなかったらーーー


私この後、ずっと後悔する。」


『・・・・・・・・・・・分かった。


じゃあ、これを使って。』


ハオルちゃんは自分の頭の冠の葉を一枚そっと取り出した。


そして、緑に光る一枚を大事に私の手のひらにのせた。


『この種のもとは、人の目には見えないよ。


これを土に埋めて、リアちゃんの魔力を注いで新しい薬草の種にするんだよ。


そのまま魔力を注いでいけば新種の薬草が育つからね。


多分、すぐ倒れちゃうからね。


それ以上は言えないけど・・・・


覚悟はしてねーーー』




なんか、怖いけど・・・



でも、困っている人のためにやるって決めた!


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