25株目 エドアルトside
私には、幼い頃より婚約者候補が付けられていた。
ブリュンヒルデ公爵家のメアリー嬢である。
しかし、それも政略がらみ。
王族に近い公爵家という立場。
年頃もちょうどよいという関係。
同じように公爵家のヴェルデリア嬢は病弱だったために候補にはならなかった。
このままいけばメアリー嬢が婚約者として決定するはずだった。
このままいけば・・・・・・・
でも、私はそうしたくない!
なぜなら
メアリー嬢には、想い人がいる。
近衛騎士のレオンハルトのことを。
そして、レオンハルトもメアリー嬢のことを秘かに慕っている。
もちろん
私の婚約者候補になってしまってからは、絶対にそんなそぶりを見せないようにしている。
だから、私は極力メアリー嬢と接点をもたないようにしていた。
しばらくの悪あがきかもしれないと思いながらも・・・・
しかし、そこに現れたのがヴェルデリア嬢。
私にとっては、渡りに船。
しかもとても興味をひく植物の魔法の術者。
国にとってもとても”有用な人材”だ。
そこで、私は側近のルーカスやユリウスに命じた。
ヴェルデリア嬢に有用な教師をそれとなく準備したり、護衛を準備したりした。
護衛は本当に役に立った。
いや、いなければ危なかった!
隣国の密偵がヴェルデリア嬢を拉致しようとするなんて。
あの後、情報をしっかり得たうえで、排除した。
その後も、狙ってきても大丈夫なように側近のユリウスにしっかり見てもらっている。
その上、側近のルーカスに情報を操作してもらった。
王が自然にヴェルデリア嬢を私の婚約者候補に入れざるを得ないように・・・・・
本当によかった。
後は、ルーカスと戦略を練って、メアリー嬢を婚約者候補から外していきたい。
ここまで順調だ。
ゆっくり進めていこう。
一つだけ、誤算だったこと・・・
ヴェルデリア嬢の魔法の教師として、優秀だと思ったオルフェウスを準備してしまったこと。
あいつだけはだめだった。
「ヴェルデリア嬢は素晴らしいですね。
あんなに小さいのに一生懸命自分の魔法の有用性を訴えようとする。」
「ヴェルデリア嬢の植物魔法は素晴らしい。
植物の成長、しかも無詠唱。
いつまでも見ていたい。」
「ヴェルデリア嬢のポーションが飲みたい。
どうしても・・・
どうすればーーーーーー」
「あ~~ヴェルデリア嬢のポーションは素晴らしかった。
夢を見ているようだった。
また、飲めないだろうか・・・・」
会うたびにうっとりとした目で虚空を見つめ、話してくる。
聞いているとちょっと鳥肌がーーーー
いけない。
自国の国民のことを悪く言いたくはない。
しかしーーーーー
ヴェルデリア嬢と距離を置いてほしいが、それもできない。
それだけが、唯一
ーーー計算外だった・・・




