19株目 ポーションについて
私の護衛をしていてけがをしたカイル様。
騎士生命も危うくなりそうな状態に・・・
そんなカイル様のけがを治したくて、私は初めてポーションを作った。
この世界にはなかったポーション。
どうして私が作れたかというと、ハオルちゃんに教えてもらったから。
そのポーションを飲んだカイル様は、腕の痛みがだいぶ治まり、腕が動くようになった。
その事実をどのように取り扱うのか?
今日は、エドアルト王子と王子から連絡の行ったオルフェウス先生、護衛のレオン様がうちに来た。
あと話に加わるのはお父様、お母様だ。
「先日は大変だったね。ヴェルデリア嬢は大丈夫だったかい?」
エドアルト王子は心配そうな顔をして私を見た。
「護衛を付けてくださって感謝します。
今回私は無事でしたが、相手が3人もいたために護衛のカイル様がけがを負ってしまいました。
私のうかつな行動も原因だったと思います。
ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。」
私は、頭を下げた。
「いやいや。予想できたことだよ。護衛することは仕事だし、けがすることもあるんだよ。」
エドアルト王子も私をなだめるように声をかけてくれた。
「ところで、カイルのけががだいぶ良くなったんだって?
どういうことか早く知りたいな。」
オルフェウス先生は、興味津々で私を見つめる。
「実は、今回どうしてもレオン様のけがを少しでも治したくて、あるものを作ってみました。」
私は、お父様、お母様に話した通りに
古い文献に書いてあった薬草と魔力の関係の記録を見たこと。
私が育てた薬草を煎じて、そこに植物魔法をかけてみたこと。
それを飲んでもらったら、カイル様の痛みが引き、腕が動くようになったことを話した。
そして、短時間ならとカイル様にも来てもらい、どのような感じだったのか聞いた。
「飲んでしばらくすると、痛みがスーッと消えていったんです。
そして、ゆっくり腕を上げてみたところ、動かせたんです。
まるで、奇跡のようでした。」
カイル様は、キラキラした瞳で私を見つめてくる。
「それが本当なら、すごいことだな。」
王子様も腕を組んで考え込んでしまった。
「現物は残っていないのかい?」
オルフェウス先生は、好奇心が収まらず身を乗り出してくる。
「少し残っていましたので、ここに準備しました。」
カップに入れた緑色の液体を王子様に差し出した。
「けがした人もいないのに実験するわけにもいかないしな・・・・」
王子がそう言うと、
「ぼ、僕が飲みます。ちょうど、昼間の実験で指をけがしてしまってね。」
(あやし~~~~~い。)
誰もがそう思っただろう。
みんなの目が細められた。
「まあ、いいだろう。では、飲んでみてくれないか。」
そう言って、王子様がカップを渡すとーーーーー
オルフェウス先生は、カップの中をじっくりと観察した。
においをかいだりして、満足したのかカップをゆっくり口に運ぶ。
口を付けるとカップをゆっくり傾け、ごくりと飲み込んだ。
そして、けがをした指をじっと見つめると・・・・
ーーーーー驚きに徐々に目が丸くなっていく。
「治った。傷口がきれいにふさがって、痛みも全くなくなった。」
みんなもその傷口を見て驚いている。
「まるで、光の魔法だな。」
王子も驚いてそう言った。
「でも、光魔法では治らなかったところまでよくなったんです。
リア嬢のこの薬はすごいんです。」
カイル様は、私への尊敬の気持ちなのか、声を上げる。
そこで、私が考えていたことを提案する。
昨日、お父様、お母様とも相談しておいたこと。
「私も光魔法と似ていると思いました。
だから、私だけでなく、光魔法の人もこの薬を作れないかと思いまして。」
私がそう言うと、みんなは意味が分からないのか首をかしげてしまった。
「どういうことか、説明してくれないか?」
王子様に言われた。
「この薬は、薬草を煎じたものに私が植物魔法をかけたんです。
同じように、光の魔法を扱える方が薬草を煎じたものに光魔法をかけたら似たようなものができないかと・・・・」
「なるほど、試してみるのも面白いな。」
オルフェウス先生はもう実験について考えているようだ。
「確かに、ヴェルデリア嬢が作れる薬の量にも限界があるだろうし、
光の魔法を扱える人も限られている。
これで、たくさんの薬が作れたら助かる人も多くいるだろうな。」
さすが王子様。
国民全体のことを考えているようだ。
「今回飲んだものは、薬とは少し違う。なんと呼んだらよいだろうか?」
王子は目を細めて、私に聞いてくる。
「・・・・それなら、その本で見かけた言葉”ポーション”ではどうでしょうか?」
私が提案すると、王子はうなずいてくれた。
「では、ポーションとしたうえで、ポーション作りについては王とも相談して進めよう。」
ポーション作りについては、王に許可を受けた上で、進めていくことになった。
私の価値だけが、目立ってしまわないように
そして、少しでも周りの人のためになるように・・・・・・




