16株目 護衛がついてます
私に護衛がつくようになった。
最初は、心配であまり家を出たくなくなってしまった。
それでも、数日すると、護衛の人がいる生活にも慣れてきた。
ーーーーーある日
私は図書館に行くことにした。
なぜかというと・・・・
薬草を育てる授業がスタートした。
それなのに、私には薬草についての知識があまりない。
というか今まで意識してこなかった。
薬草を扱うのに、どんな育て方をするのか?
どんなことに使われるものなのか?
それを知らずにただ育てるのは無責任な気がした。
そこで、王都の図書館に来た。
「今日は、図書館までお付き合いいただきまして申し訳ありません。カイル様。」
今日は、カイル様が護衛の日だった。
「いえいえ。これが仕事ですから。遠慮はいりません。」
そう優しく言ってくれた。
「今日は、図書館で少し調べ物をしたいので、時間をだいぶ使ってしまいますが構いませんか?」
私は心配になって聞いた。
「私の目の届くところにいていただければ構いません。
何かありましたら遠慮なく申し付けください。
重い本を運んだり、高いところの本を取ったり手伝えますからね。」
なんとも心強いことを伝えてくれた。
私は、それから数冊の薬草について書いてある本を読んでいった。
「リア嬢。今日はそろそろ終わりにしませんか。借りられるものは借りていきましょう。」
カイル様の声で本から顔を上げた。
(うわ~。集中しすぎて、時計を見ていなかった。カイル様ごめんなさい。)
「時計を見ていませんでした。長い時間すみません。すぐ貸し出し手続きをしますね。」
私は、あわてて席を立った。
貸し出し手続きをして図書館を出たら外はもう夕暮れだった。
そうして、馬車を止めた広場までもう少しというところでーーーーー
『リアちゃん、気を付けて!』
不意にハオルちゃんの声が頭に響いてきた。
見ると、人ごみの中から三人の男が何やら私たちに向かってくるところだった。
(えっ!こわい!)
私はとっさに足を動かすことができなくなった。
そこに、護衛のカイル様が目の前に立ちふさがった。
「リア嬢。ちょっと下がっていてください。」
そう言って、剣を抜いて男たちと戦い始めた。
さすがにカイル様は強いけれど、相手は三人もいる。
人ごみに紛れていて、気が付くのが遅れて一人で三人を相手にすることになってしまった。
相手は、統率のとれた動きで、剣を振り上げて向かってきている。
一人はどうにか倒した。
でももう一人と戦っているうちに、最後の一人が私を狙っているのが分かる。
もう怖くて見ていられない。
カイル様が二人目を倒した時。
『リアちゃん。早くあの建物まで動いて!』
ハオルちゃんの声に正気を取り戻し、息を一つ吐いた。
(怖いけど、逃げなくちゃ。)
私は、一歩後ずさる。
そうして、視線を外して動こうとしたとき・・・
最後の一人が隙をついて私の方へ向かおうとしているのが見えた。
カイル様も最後の一人を行かせまいとして前に立ちはだかった。
「きゃ~。こないで!」
私は、あまりの怖さに再び動けなくなってしまった。
その声を聞いて、一瞬視線を私に向けてしまったカイル様。
視線を戻した時には、カイル様に切りかかってくる男が目の前にいた。
カイル様は肩の辺りに剣を受けながらも、相手をどうにか倒すことができた。
(私のせいだ・・・・)
「キャー!カイル様。大丈夫ですか?」
私は震える足をどうにか動かし、カイル様に駆け寄る。
カイル様は、肩の辺りを切られたようで、痛さに顔をゆがめながら血を流している。
「けがを負ってしまい、申し訳ありません。」
痛くて動けないのに、私にそんなことを言ってくる。
「話さなくていいですから。ちょっと待っていてください。」
私は、すぐさま馬車から私を探しに来た公爵家の執事を見つけた。
そして、執事に頼んでカイル様を屋敷に連れて帰った。
屋敷でも大騒ぎになり、すぐ医者を呼んで手当をしてもらった。
それでも、けがが大きく血もかなり流れてしまった。
騎士団から王宮にも連絡が行き、光魔法の使い手の方が来てくれた。
お母様も一緒になって光魔法を使ったが、全ての傷は治しきれない。
(私を守ってくれたのに・・・・
このままなんて嫌!
でもどうしたら・・・・?)
この国の医療はまだ発達していない。
(もうハオルちゃん。どうしたらいいの?)
『どうしてもというのなら、リアちゃんの魔法でできることが一つある。』
ハオルちゃんのその言葉に、
私はどんなことをしてでもーーー
カイル様を助けることを誓った。




