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15株目 称賛と疑問視?



私が薬草作りのお手伝いをして数日。


王宮の中では、一つの会議が設けられていた。


王をはじめとする国の重鎮たちが集められ、話し合いをしていた。


その議題はーーーー


〈植物魔法について〉


「今年不作な薬草が手に入るんだ。国にとっても有用だろう。」


魔導協会は植物魔法に陶酔したように話す。


「この力を使えば食糧事情に困ったときにも使えるのでは?」


一部の大臣は使いつぶしてもかまわないと考えているのかそんなことを言う。


「その点だが、ヴェルデリア嬢は力を使い過ぎると倒れてしまうのでそれはできない。」


エドアルト王子も事実はきちんと伝える。


「貴重な植物でも少量ならできるということだな。大した魔法だ。」


みんな、魔法の”有用性”しか考えていない。



そこに、黒い瞳。


闇魔法の第一人者アイゼンシュタット公爵が声を上げる。


「私は、植物魔法が危険なものだと考える。魔法はこれ以上使わせるべきではない。」


苦虫をかみつぶしたような顔で断言した。


「なぜだ。こんなに使える魔法なのに・・・」


魔導協会からも不満の声が上がる。


アイゼンシュタット公爵は、一度目をつぶり、息を吐いてからおもむろに立ち上がった。


「自然界には生態系のピラミッドというのがあるのはご存じだろう。


魔法なんかでそれを操作してしまったらその生態系が崩れていずれ何が起こるかわからない。


私は、それが怖いのだよ。」


そう言うと、静かに椅子に腰を下ろした。


途端に、みんなは口をつぐんだ。



実は、闇魔法は”途絶えようとしている命を受け取り、天に届ける力”を持っていた。


つまり、生死に直結した力なだけに、自然界のバランスにはことさら注意が必要なことが分かっていた。


常に命を少しでも永らえようとする光魔法とは対極で対立を繰り返してきた歴史がある。



しばらくすると、王が声を上げる。


「魔法を使わせないというのは極端な話だ。


必要に応じて協力してもらいたいと思っている。


しかし、自然界のバランスの崩れも気になる。


そこで、国が管理をし、使用許可制を設けることにする。


異論はないか?」


王は、周りを見渡した。



すると、一人の男が手を上げる。


「王の考えはよく分かりました。


それでいくとしましょう。


しかし、ヴェルデリア嬢の有用性に気づいた他国が彼女を奪った場合・・・・


我が国にとって脅威となることはないでしょうか?」


「実は、国の諜報部からも隣国の動きがあることは報告されている。」


そう言った途端、周りはざわざわと議論を始める。


「確かに、一人しかいない植物の魔法をとられるのは痛い。」


「いや、それどころか貴重な植物資源確保や食糧事情で使いつぶされでもしたら。」


「自然界のバランスを崩されたら我が国にも大きな影響が出るのではないか?」



そこに、別な男が声を上げる。


「最近、隣国でもヴェルデリア嬢のうわさを聞き付け、密偵が忍び込んでいるのではという情報も聞いた。」


「ヴェルデリア嬢を一人にはできないではないか。」




「それならーーーー」


ひときわ大きい声で話し出したのは、騎士団長だ。


「騎士団より、ヴェルデリア嬢には常に護衛を付けるのはどうだろうか?」



「それがよかろう。」


王も声を上げ、ヴェルデリアには護衛がつくことが決まった。


「では、以前から候補として考えていたものがいるので手配しよう。」


王子も以前からヴェルデリア嬢のことを心配して護衛を付けることを考えていたらしい。




このことは、すぐさまグランツ家に伝えられた。


寝耳に水だったため、私たちもびっくりしてしまった。



そうして、数日後現れたのがーーー


近衛騎士のレオンハルト・フォン・シュバルツとカイル・フォン・グラーフだ。


二人とも騎士団が推薦するだけあって、身分もあり、剣の腕も確かだ。


二人が交代でついてくれることになった。


今までも公爵家の護衛がついてくれたこともあったけど、なんか桁違いの話になってきた。


(どうして、こんなに国家規模の話になっちゃったんだろう?)


そう思っていたら、私の貴重な魔法を狙って他国の密偵がこの国にいることが心配されているんだって。


(なにそれ?誘拐されちゃうかもしれないってこと。怖い。


無価値な魔法だと言われるのも困るけど、こんなことになるだなんて・・・・・・


なんか責任が重すぎて嫌だな。)


『リアちゃん。大丈夫だよ。私も守るからね。ただ用心することは大事だよ。』


(私にはハオルちゃんがいるものね。怖いけど、感情を抑えなきゃ。)



「これから、よろしくお願いします。」


私は、レオンハルト様とカイル様に頭を下げた。


二人はあわてて、私に言った。


「私たちは護衛です。私のことはレオン。そして、彼のことはカイルと呼んでください。


あなたを命に代えてもお守りします。」


そう言って、私の前にひざまずいてくれた。


「いえ。命は大事にしてください。それから私のこともリアと呼んでください。


これからお願いします。」




そうして、移動するときには、必ず護衛を付けることを約束した。



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