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11株目 私の魔法の課題は?



「やあ。ヴェルデリア嬢。


週に一度のこの日をとても楽しみにしていたよ。」



今日も、宮廷魔導士のオルフェウス先生はぼさぼさの髪の毛のまま、嬉しそうに我が家を訪ねてきた。


私が、魔法を使って疲れすぎないように、授業が週に一度となった。


オルフェウス先生はもっと早く私の魔法について知りたがったけれど、


お父様がそれを止めてくれた。



今日は、私の魔法について調べていくことになった。


まずは、発動条件だ。


手を組んで、心の中で願えばよいことはわかっているけど


できないときはあるのか?


種や芽が出ているときは成長させることができた。


では、近くに種や芽がないときはどうだろう?


屋敷の中の植物のない部屋でやってみることにした。



手を組んで、願ってみる。


「大きくなって。」


体の中の魔力が動く気配がない。


周りに何も変化が訪れなかった。


「つまり、周りに植物がないとこの魔法は発動しないんだね。」


オルフェウス先生は、しきりにメモを取っている。


「そうなんです。これ、植物の魔法ですから・・・・」


(しまった。ハオルちゃんに教えてもらったことを話しちゃった。)


「君の魔法は、緑の魔法っていうことになったよね。植物の魔法って誰が言ったのかな?」


オルフェウス先生の目の奥が光る。


「いえ。私が植物が好きだったので、植物の魔法って自分で呼んでいたんです。」


私は、自分の考えのように恥ずかしそうに答えた。


(お願い。深く聞かないで・・・)


「そうか。ヴェルデリア嬢は、植物が好きなんだね。


なるほど、確かに植物の魔法だ。


私からも魔導協会に提案してみよう。」



ところで、もう一つ。


「前に、魔導協会でトマトを実らせた時、少し遅れて庭の木に花が咲いたよね。


あれは、どうしてだかわかるかい?」


オルフェウス先生は、疑問に思ったことは全て解き明かしたいようだ。


「あの時は、トマトを実らせて、周りの人に私の魔法が認められて嬉しかったんです。


その時、願ってもいなかったのに花が咲いたんです。」


私は、その時のことを思い出して話をした。


「つまり、嬉しい気持ちが植物に伝わったと考えるのが妥当か・・・・?」


オルフェウス先生は、一人ぶつぶつと自分の思考の海に潜っていった。


「もしかすると・・・・」


「では、ヴェルデリア嬢。


次は、庭に出てみよう。


そして、植物に願うのではなく、嬉しい気持ちを植物に伝えてごらん。」


(つまり、私の気持ちに植物が答えるのか試すってこと?)


「やってみます。」


私は、意を決して目を閉じて植物の魔法が認められた時のことを思い出してみた。


(認められてうれしかったな。)


そのとたん、意図せず庭の植物に花芽がついて花が咲きだした。


「これは、すごい。


でも、コントロールできないとヴェルデリア嬢の感情に植物が左右されてしまうということだ。


これは、コントロールの仕方を学んでいかないと大変なことになる。」


(大変なことになる!?あの時のクラウスみたいに・・・)


私は、瞬時に不安な気持ちになった。


その途端。


さっき、花が咲いた植物が今度はしおれていってしまった。


「えっ!ヴェルデリア嬢。


今何を考えたんだい?」


オルフェウス先生が焦って私の肩をゆする。


「すみません。実は、先日私の魔法を見た弟が木に登って実を採ろうとして落ちてしまいました。


その時のことを考えて、不安になってしまったんです。」


私は、悲しみから下を向いてしまった。


「不安にさせるようなことを言ってしまって済まない。


でも、これからは魔法をコントロールすることについて考えていかなければならないね。


大丈夫。一緒に考えていくから。」


オルフェウス先生は、安心させるように私の手を取ってくれた。



(そうだ。もう周りの人を困らせないように、しっかりと自分の魔法を知らなければ・・・・・


今日は、課題が一つ分かっただけでも良かったと考えよう。)



私は、オルフェウス先生の目をしっかり見た。



「これからも、魔法のご指導よろしくお願いします。」



そう言って、頭を下げた。



魔力がコントロールできないうちは、植物の近くで感情を揺らさないようにしなくては・・・



私は、そう心にとめた。


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