34/88
039●遺構
「艦長、あれを!」ボビー副長が木々の切れ間を指す。
そこには・・・
自然には決して生まれない直線。
白灰の壁。
砂に半ば埋もれた巨大構造物。
「旧文明の地表施設だな、ボビー。」マチルダは慎重に近づいた。
門らしき場所に付いた古いプレートをなぞると、
剥離した外皮の下から、鈍い金属光が覗く。
刻印された文字が浮かび上がる。
PLΛNET CLEANER XYZ。
「ここだ。」マチルダの声は変わらず静かだった。
「艦長、この島だけが正常化している理由は・・・。」ボビーが言いかける。
マチルダは短く言った。
「入ってみよう。防護服は脱いで構わん。」
爽やかな風が吹き抜けた。
酸の世界とは異なる、淡い草と海の匂いが混ざっていた。




