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「おいっ!!アリババ!!」
最初にアリッサに噛みついたのは、『太陽の家』でのライバル、元冒険者のガンダルガであった。
赤く染めた皮鎧に、かなり大振りな大剣が下げられている。ちなみに「アリババ」というのは「アリッサばばあ」の略で、彼のみが使う呼称だ。
「騎士どもの説明だけでは要領を得んっ!!どういう事か説明せいっ!!」
「おや、説明しても理解できる頭があんたにあるのかねぇ」
「なんじゃとぉ!!」
「ちょっと二人とも!!そんなことしている場合じゃないでしょう!!」
いつもなら、このまま激しい戦いが始まるのだが、さすがにブランの制止により二人の老骨は口をつぐむ。
しかし今度は自分の番が来たとばかり、アリッサと同い年の若作りの魔女、メイシンが口を開く。
「アリッサちゃん。あたしも、呼んでもらったのはすっごく嬉しいんだけど、正直、まだ何がなんだかよくわからないのよねぇ」
今日はお酒が入っていないため、メイシンは、かまととぶりっこに戻っている。
「わかったわかった」
アリッサは、強烈な空気で迫る二人に、仕方なさそうに説明を始めた。
ノルンとの一幕が終わってからのアリッサは実に迅速だった。ウォルターを通じ騎士団や神官達に次々と指示を出し、戦いへの備えを固めていったのだ。
まず彼女は、闇魔術師を迎え撃つ場として、人気のない墓地を選ぶことを決め、ウォルターに適当な場所をあたらせた。
それが決まると、助っ人を呼ぶため騎士達を伝令に走らせ、自分は、休息を終えたシスターとブン・ラッハのみを連れ、教会の一室で何やら打ち合わせを行った。
そして、すぐに馬車に乗り東区の墓地へ向かうという慌ただしさであった。
ウォルター議員とスナイダー団長はそのまま教会に残ることとなり、教会の周囲には、護法騎士団二個中隊が置かれ、二十人に及ぶ、ルテラ教ヒーリング部隊が「聖域の術」を教会全体に施すという、ものものしい警備がしかれる事となった。




