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その日の夜遅く…
夜空には相変わらず不気味な満月が浮かんでいる…
月明かりに照らされ辺りに浮かび上がるのは、墓…墓…墓…
「いやぁ、どこ見回してもお墓ばかりですね。まあ墓場だからしかたないんですけど」
ブランのいささか間の抜けた感想は、急に吹き出してきた風の音によってかき消された。
ブランとアリッサは、ヨルム東区のはずれにある国立の共同墓地に来ていた。
「何辛気くさいこと言ってんだよ!!」
そう言うなりブランの頭をパシッと叩いたのは、彼の幼なじみの護民騎士、ナップである。
「だいぶ風が強くなってきましたわね」
「さ、さようですなあ」
アリッサの近くに立ち、いささか緊張含みの会話をしているのは、シスター・サリサとフィン評議会付き魔道士のハートストンだ。今日に限って、ブン・ラッハのしゃれこうべは、ハートストンの首に下げられていた。
「あら。アリッサ様、いらっしゃったようですわ」
シスターが墓地の入口の方を見て声をあげる。そこには二つの人影があり、こちらに向かって歩いてくるようだ。
「こりゃあぁぁ!!アリッサばばぁ!!」
「アリッサちゃ〜ん☆」
場にそぐわぬような大声をあげてやって来たのは、派手な赤い鎧に巨体を包んだ筋骨隆々の老戦士と、やたらと露出度の高いドレスを身にまとった妖艶な魔女であった。
「やれやれ、こっちから呼んどいてなんだが、本っ当にうるさい連中だねえ」
アリッサは心からため息をついたのだった。
こうして不気味な風が吹き荒れる夜の墓場には、実に個性的な男女七人と…しゃれこうべ一つが集ったのだった。




