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「わかった」
ブン・ラッハの答えは簡潔であった。
「ブラン、頼む」
「は、はい」
ブランは首からブン・ラッハを外すと、部屋の隅にいるアリッサの方へ行った。
「このままじかに置いちゃっていいんですかね」
「たぶんな」
アリッサの曖昧な答えに文句を言いたいのをこらえ、ブランはブン・ラッハを魔法陣の上に置いた。
「ありがとうございます。では、少しそのままお待ちください」
そう言うとノルンは、両手を胸の前で組み、何やら呪句を唱え始めた。
「アリッサさん」
ブランはアリッサにそっと話しかけた。
「ブン・ラッハさん、大丈夫でしょうか」
「なあに、すでにしゃれこうべになっちまったんだ。これ以上悪くなりようもないさ」
アリッサは皮肉っぽい笑みを浮かべた。
元々、ブン・ラッハが命を落としたのは、彼女とブランを助けるためだったことを思えば、なんとも図太い物言いである。
「ほう、そうくるか」
アリッサが感嘆の声をあげる。今や映像の魔法陣上には、ノルンの呪句によって発生したとおぼしき、輝く光球がふよふよと浮かんでいた。
その光球は、先ほど同様、向こうの魔法陣を通過すると、こちらに出現し、ブン・ラッハを覆いつくした。
「おお、これは…」
光の中からブン・ラッハの声が聞こえる。
「魂を定着させている物質に、魔力のキャパシティを設けました。これで、今後は生前同様に呪力をふるうことができるはずです」
「たいした、力だ」
光がおさまり、無事に姿をあらわしたブン・ラッハが、関心の声をあげる。




