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「無論、『現世不介入』の原則がある以上、わたしが直接出向くことはできませんが…」


そこまで言うと、映像の中のノルンは、左手を少し持ち上げた。すると、彼の脇に井戸の口ほどの大きさの魔法陣が浮かび上がった。


「アリッサ、すみませんが、これと同じ魔法陣をそちらに描いてもらえますか?」


「よしきた」


アリッサは席を立つと、部屋の隅までちょこちょこと歩いて行き、懐から何やら指先ほどの黒い棒を取り出して、床に魔法陣を描きはじめた。事情が事情ゆえ、床を汚すことを咎めるものなどはいない。


「できたよ」


「ありがとうございます」


次にノルンが、左手の指を軽く空中をなでるように動かすと、映像内の魔法陣の上に、茶色い袋のようなものが現れた。


「送ります」


と、ノルンが手短に言い指を動かした瞬間―


「おおっ!!」


男たちが驚きの声をあげる。映像の魔法陣の上にあったものは一瞬の閃光とともに消え去り、こちらのアリッサが描いた魔法陣の上に転送されていたのだ。


「確かに、受けとった」


それは、茶色のかなり分厚い封筒だった。アリッサは中を覗いて確かめると


「なかなか奮発したじゃないか」


とノルンに不気味に笑いかけた。ブランは一瞬、封筒の中身が札束ではないかと疑ってしまった。


「では次に…」


ノルンが急にこちらを振り向いたので、ブランは思わずハッとしてしまう。


「南方の呪術師殿」


しかし、ノルンが用があったのは、ブランの首から下がったブン・ラッハの方であった。


「なんだ?」


ドクロの目が青く光る。


「すみませんが…魔法陣の上に来ていただけませんか」


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