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「ただし、闇魔術師たちの現世への介入が度を過ぎた場合、それを封じなければなりません。魔道王陛下および魔道三大公は、そのため、現世のあらゆる場所に目と耳を飛ばしているのです。先ほどスナイダー殿は、大公でありながらとおっしゃられたが、この役目は大公以上の魔力がなければ務まらないものなのです」
「それは…しかし…」
スナイダーはまだ釈然としない様子である。するとウォルターが口を開いた。
「そもそも、我が国とて他国に間諜を放っているのだし、その点でノルン殿を責めることはできぬ、お互い様だ」
「ウォルター様!!」
あまりにもあけすけなその発言にスナイダーが悲鳴をあげる。
「それに、わたしはかつてノルン殿に助けられた事があるが、その時、我々の社会とは全く違う、魔道の世界があることを少しながら知ることができた。スナイダーの気持ちはよくわかるが、これに関しては、我々が関知することではないのだ」
そこまでウォルターに言われてしまえば、もはやスナイダーとて口をつぐむしかなかった。
「今回、我々が介入を決めたのは三つの理由からです」
ノルンは、助け舟を出したウォルターに礼を言うと、再び話をはじめた。
「一つにはもちろん、強力な闇魔術師が関わっているということ。いま一つは我らが同朋にしてわたしの部下であるダラスが殺害されたこと。そして、最後の一つが…」
「『赤い鏡』だね」
それまで穏やかだったノルンの表情が、一瞬引き締まったのにブランは気づいた。
「ありゃあ、あんたの国のものだね」
「そこまでお気づきでしたか。ならば、きちんとお話いたしましょう」
ノルンの言葉にアリッサが当然だとばかりに大きくうなずいた。




