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「さてと、これからのことだが」
アリッサが一同を見回す。しかし、闇魔術師への対策などというものは、ブランはもとより、ウォルター、スナイダー、ハートストンといった面々には、手に余る問題である。誰も口を開く者はいなかった。
「闇魔術師にとっちゃ、ブン・ラッハの魂が残るというのは誤算だったはずだ。それによってヒルダという内通者を失ったんだからね」
ウォルターを前にヒルダを内通者呼ばわりできるのはアリッサだけだろう。
「だとすれば、おそらく敵さんは、あたしたち…正確にはあたしとサリサの魔力を狙って攻撃してくるだろうね、それも正面から」
「正面から…」
ハートストンがいくぶん怯えが混じった声でつぶやく。
「ああ。あたしらの戦力が大幅に低下し、内通者まで失ったとあっては、もはや小細工を仕掛けてくる理由がないからね。早ければ今夜、襲ってくるだろう」
「こ、今夜ですか!?」
ハートストンが、今度は完全に怯えた悲鳴をあげる。すでにあたりは夕刻に達していた。闇魔術は、夜にこそ、その本当の力を発揮するのだ。
「息子が…レイモンド・ウォルターが救出された時点で、今回の依頼は完了したともいえる」
ようやく口を開いたウォルターの言葉にブランはハッとする。確かに、レイモンドがこちら側の手にある今となっては、ウォルター側はこの事件から手を引くことも可能なのだ。あとは勝手に魔術師同士でやってくれと突き放すつもりなのだろうか。




