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「わかった…ありがとう」


アリッサからの報告を聞いたウォルターは、複雑な表情でつぶやいた。

すでに彼らは、北区にあるルテラ教会の一室に戻って来ていた。シスター・サリサだけは休息のため別室で休んでいたが、それ以外は先ほどと同じ顔ぶれだ。


「しかし、まさかヒルダさんが…いやはや、いまだに信じられない思いです」


ハートストンが不安を口にせねば落ち着かない、といった様子で誰に言うでもなく口を動かす。


結局あの後、アリッサとウォルターの話し合いにより、ヒルダは用意された馬車に乗せられ、そのままヨルム北区にある国立精神療養センターまで至急搬送されることとなり、レイモンドは動かすわけにはいかなかったため、ヒルダの自宅の周囲に警護の護法騎士をおき、さらに、建物の四方にヒーリング部隊の神官が常駐し、「聖域の術」で家を包みこむという措置がとられた。


ヒルダの自宅が闇魔術とつながりのある場所となった以上、あまり長期滞在するべきではないというアリッサの意見により、ウォルターへの詳細な報告は、元いた教会に戻ってからということになった。

出発前、ウォルターは、担架で馬車まで運ばれるヒルダと、寝台で時間を止められ横たわるレイモンドとそれぞれ少しの時間対面したが、どちらもまともに話ができる状態ではなく、さすがの彼も、愕然とした様子で見届けるばかりであった。

しかし、教会に戻ったウォルターは、さすがに胆力のあるところを見せ、アリッサの報告を聞き、今後の対策を話し合う場をすぐに設けたのだ。


「とにもかくにもレイモンドが無事で本当によかった。アリッサ殿、シスター・サリサのお二人にはいくら感謝してもし足りないくらいだ」


ウォルターはそう言うとアリッサへ頭を下げた。


「ブン・ラッハ殿も、そのような身にさせてしまったこと、まことに申し訳なく思う」


「気に、するな」


ブランの首にさがったしゃれこうべが答える。

まだそのような怪異に慣れていないスナイダー団長は、思わずビクッと身をふるわせた。


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