78
「あほか」
そういうなりアリッサは寝台のはじに手をかけた。
「うわっ!!」
ブラン達が悲鳴をあげたが、アリッサはそこから手を離すと彼らの前でブンブンとふって見せた。
「こいつは、結界が最初に発動したとき、領域内にいる有機体の時間を止める術法なのさ。今さら手を入れたってどうってことはない」
いつもながら、専門的な話はブランには意味不明である。
「ただし」
意味不明なのにただされてもと思うブランであったが、そのままうなずいて続きを聞くことにした。
「無理やり起こそうとしたり、結界を破壊しようとすりゃ、結界内での時間律が乱れ、下手すりゃ中の人間は二度と目を覚まさなくなっちまう」
「まあ…それでは、きちんと手順を踏んで結界を解除しないといけませんのね」
シスターの言葉にアリッサがうなずく。
「ああ。しかし、はっきりいってあたしにゃ専門外だ。その道の魔術師に頼んだとして解除するには…三カ月はかかるだろう」
「確かにたちが悪い結界ですわね」
シスター・サリサが強く同意する。
「さて、それじゃあこっちは一段落したとして」
そう言うとアリッサは、揺り椅子の方へ体の向きを変えた。
「サリサ、頼む」
アリッサにうながされ、シスター・サリサが何ごとかつぶやき印を切ると、先ほどまであった「制約の術」の緑色の光の輪は、スッとあたかたもなく消え去っていた。
アリッサは無言で揺り椅子に近づくと、いきなり何者かがくるまっている毛布をはぎとった!!




