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「ここから確認できる限り、レイモンド様に間違いないと思われます!!」
ルドンがアリッサの方を向き大声で報告する。
「ああ。ご苦労、さがっていいよ」
「はっ」
ルドン中隊長が部屋の入口へ戻ると、アリッサは一同に目をやり
「それじゃ、少し時間をもらうよ」
と言うが早いか、寝台の周りをいつになく入念に調べ始めた。
木製の寝台の四隅に乱雑にはられた護符は、かなりの枚数があった。アリッサはそのひとつひとつに入念に手をかざし、時おり、口の中で何やらブツブツと唱えていた。
探査は小一時間ほどにも及んだが、その間、緑色の光に包まれた揺り椅子の毛布からは、不気味な程に何の声も動きも起きなかった。
「やっかいだ」
探査を終えたらしいアリッサが最初に放ったのがこの一言だった。
「非常にたちの悪い結界だね」
「まあ…」
シスターが口に両手をあてて沈んだ表情になる。
「まあ、レイモンドの命にゃ今のところ別状がないのがせめてもの救いだね」
その言葉に、騎士たちの間から安堵のため息がもれる。
どうやら、ウォルター親子は騎士団内でも慕われているようだ。
「一体どんな結界なんですか?」
気になったブランがアリッサに聞くと
「ま、わかりやすくいうなら『時を止める結界』だね」
という答えが返ってきた。
「ええ!?」
ブランは、そのあまりにも不可思議な答えに、思わず声をあげてしまった。
「じゃ、じゃあ、あの中は時間が止まってるんですか?今、あそこに手を入れたら動かなくなっちゃうとか!?」
ブランにとって、「時の流れに介入する」などということは、空想の中で楽しむことだと思っていただけに、不謹慎ではあったが、ついつい感情が高ぶってしまっていた。その反応は、多かれ少なかれ、魔法に疎いフィンの騎士たちにも見てとれた。




