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「邪魔するよ!!」


「ちょっ!!一応ノックはした方が…」


部屋に入ってきたのは、たくさんの花が飾られた派手な帽子をつけた老女と、首からしゃれこうべを下げた眼鏡の青年だった。いわずと知れたアリッサとブラン、そして今やブランのアクセサリーと化したブン・ラッハである。後ろから、シスター・サリサと護法騎士数人が続いて部屋に入る。

アリッサは、他の者を部屋の入口近くに待機させると、つかつかと中央の寝台へ歩みよった。


「レイモンドの顔がわかるやつはいるかい?」


アリッサが護法騎士達に呼びかける。


「護法騎士団第一大隊所属、中隊長のルドンであります。レイモンド様には議員会館の護衛任務中に何度もお目にかかっております」


三十代半ばくらいの、がっちりとした体格の騎士が一歩前へと進み出る。


「よし、ここへ来てちょっと顔を確認しとくれ。ただし、絶対に寝台には触るな。来ていいのはここまでだ」


アリッサは、凄みをきかせてそう言うと、寝台近くの一カ所を指した。騎士がそこへ行き寝台をのぞき始めると、今度はシスター・サリサの方を向き


「サリサ、何の魔力も感じないから大丈夫だとは思うが、あたしの探査が終わるまで、一応あれに戒めを」


と言って、揺り椅子の方へあごをしゃくった。


「わかりましたわ」


シスターはすばやく聖句を唱え、揺り椅子で毛布をかぶっている人物の方へ手をかざした。すると、揺り椅子を取り巻くように緑色に光るリングがいくつも現れた。

これは「制約の術」と呼ばれ、魔法で相手を傷つけることを基本的にはタブーとしているルテラ教の神官たちに愛用されている術法で、相手の動きを制限することができるなかなかに便利な代物だ。


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