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「わざとですと!?」
ハートストンやスナイダーら、フィン政府関係者が色めき立つ。ウォルターもひげをいじりながら、じっとアリッサの言葉を聞いている。
「そうだ」
アリッサは、昨夜ダラスを追いかけて廃倉庫へ行く途中、ブランとブン・ラッハに話した彼女の考え―今回の事件には、「レイモンドを必要とする者」と「魔術師たちの魔力を必要とする者」が別に存在するというもの―を一同に披露した。
「なるほど…つまり、レイモンドを必要とする何者かのために闇魔術師が息子を誘拐し、今度は闇魔術師のために何者かが魔術師たちを集め、殺害するのに協力したと」
さすがに飲み込みのいいウォルターが、話をまとめる。
「交換犯罪というやつだな」
スナイダー団長が顔をしかめてつぶやく。
「いやしかし!!レイモンド様誘拐のあと、魔術師を集めるのを提案したのは他ならぬウォルター先生ですよ。それでは先生がご自身の息子を誘拐したことになってしまいませんか?」
「ふむ…」
ハートストンの疑問に、ウォルターは何か思うところがあるようで、黙りこんでしまった。
「まあ、今はそこはおいとくとしよう。ブン・ラッハ、続きを話しておくれ」
アリッサのその言葉で、一同の視線が再び机の上に置かれたしゃれこうべの上に注がれる。
「少したつと、闇魔術師の近く、もう一人、来た」
「何と!!」
ブン・ラッハの言葉に部屋にいた人間はおおいに反応した。
「なるほど。たぶん倉庫内に毒のつまった玉を投げこんだのはそいつだね。あたしもあんたも探知できなかったところをみると魔術師じゃないね。そいつがおそらく『レイモンドを必要とする者』だ」
「それは、みな知ってる、それは―」
ブン・ラッハが告げた名に、一同は氷のように静まり返った。




