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「ええっ!!」
真っ先に声をあげたのは、昨夜最後までブン・ラッハと共にいたブランであった。
「ブン・ラッハ。あたしたちを送り出した後、あの廃倉庫で一体何があったのか、聞かせてもらえるね?」
「無論だ」
ブン・ラッハの話す共通語はたどたどしいため、時折アリッサが確認や注釈をするという形での話となったが、その内容は驚くべきものであった。
廃倉庫でアリッサとブランを大地の精霊の力で脱出させたブン・ラッハは、そのまま力尽き、毒ガスによって肉体的な死を迎えたらしい。
「そこで、『魂宿り』の術法、使った」
そのヌーベリアの呪術師たちに伝わる術法で、自らの首飾りに魂を移したブン・ラッハが最初に見たのは、自分の体に殺到するゾンビの群れだった。
一瞬前まで自分のものであった体だが、ゾンビ達によって食いつくされてしまうのかと、覚悟を決めて見届けようとしたその時、倉庫内に異変が起こった。
「すべての魔力、消えた」
倉庫内にある魔力ががったもの…黒魔術の毒霧は晴れ、やはり闇の魔力で動いていたゾンビ達は崩れ去り、ブン・ラッハの肉体に宿っていた強力な魔力は根こそぎ奪いとられた。ただ、それは魔力に限定されていたため、ブン・ラッハの魂は事なきを得たのだった。
「二つの影、近づいて来た」
完全に毒ガスがなくなると、ブン・ラッハのそばには異様な雰囲気の男が立っていた。
黒のローブに黒いマント、首からはジャラジャラと華美な金属類をかけ、手には先端に悪魔の首がついた杖を持ち、その顔は恐ろしくらい不気味で青白かった。そして、その男の背後にいたのが―
「恐るべき、生き物。恐るべき、恐るべき、生き物」




