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アリッサたちが案内されたのは、南区の教会と同じ位置ある講義室のようなところだった。部屋に入ると、すでにそこには、ウォルター議員を中心に、ハートストン魔道士、スナイダー団長、シスター・サリサといった面々が着席していた。秘書のヒルダは、安全のため自宅待機になったとのことだった。
「昨夜の激務、本当にお疲れ様でした。フィン評議員としてだけではなく、私個人として、皆様には深く感謝しております」
ウォルターが、立ち上がりアリッサとシスター・サリサに深く頭を垂れる。
捜査は一向に進展せず、事件だけが複雑化していく中、このような態度をとれるウォルターは立派だなと、ブランはあらためて感心した。
「さて、せっかくお集まりいただいたので、今後の方策をたてたいところなのだが……はっきり言って、我々にはもう打つ手がないのだ」
ウォルターは正直に告白した。確かに、魔術に疎いフィンの騎士たちでは、もはや敵に抗うすべはないように思われた。
もし昨夜、あの廃倉庫に突入したのが、アリッサたちでなくフィン騎士団の一個中隊だったとしたら、そこには恐るべき地獄絵図が広がっていたことだろう。
そして、頼みの綱として呼び寄せた魔術師たちも、いまや半数以下となってしまった。
「魔道士の方々をはじめ騎士団にも、ここまで被害を出してしまった以上、私はこの件が解決し、フィンを闇魔術から守ることができるよう法を整備したうえで、議員辞職をするつもりだ」
それを聞くと、スナイダーとハートストンは何か―おそらくは辞職などとんでもないと言いかけたが、ウォルターに目顔で制され口をつぐんでしまった。




