67
最初、ブランはそれを毒によって干からびたブン・ラッハの頭部と勘違いしたのだ。
しかし、よく見ればそれは、ブン・ラッハがいつもかけていた首飾りのしゃれこうべであった。
「ブラン、持っときな」
アリッサはそれを無造作にブランに放り投げる。
「うわわわわわ!!」
急に投げられたことに加え、それそのものの不気味さのため、ブランはその古びた頭蓋骨をあやうく落としそうになった。
「落とすんじゃないよ、大事なものなんだから」
アリッサからは、理不尽な言葉が飛んできた。
「さ、探査は終わったからもういいよ」
結局、魔力が抜かれている以上、何ら危険なことが起こる可能性はないということらしい。
その後、シスターと神官たちは、ブン・ラッハの遺体を引き取り、教会内の一室に安置するための準備にとりかかった。
アリッサとブン・ラッハは、それが終わるまで教会内の食堂で食事をとらせてもらった。コーンスープとクルミパンというシンプルなものであったが、空腹だった二人は、ガツガツとお腹につめこんだ。
「ウォルター様がいらっしゃいました。至急、お話をしたいとのことです」
ちょうど食事が終わった頃、先ほどと同じ護法騎士が食堂に現れ伝言を伝えた。
「わかった」
四つめのクルミパンを食べ終えたアリッサは、すぐに立ち上がった。
「行くよブラン。それを忘れるんじゃないよ」
アリッサが指さしたのは、テーブルの上に置かれた先ほどのしゃれこうべであった。




