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ブランは、ベッドからおり靴をはきはじめた。
「まあ!!もう少し休まないといけないわ」
「大丈夫、ちょっとアリッサさんの様子を見てきます。看病してくださって、本当にありがとうございました」
そういうとブランは、部屋を退出し廊下へ出た。
向かいの部屋のドアをノックするつもりだったが、すでに護法騎士がドアの前に立ち、ノックをしているところだった。
「なんだい」
扉が開き、相変わらずむっすりした表情のアリッサが現れる。騎士のうしろにいるブランに気づくと
「やっと起きたか、ねぼすけめ」
とお得意の皮肉を言ってのけた。役に立たなかったとはいえ、一緒に死線をくぐってきた相手に「ねぼすけ」はないだろう、とブランは賢明なことに心の中でつぶやいた。
「ご報告申し上げます。ブン・ラッハ様のご遺体が到着いたしました」
「そうか、すぐ行く」
それを聞くとアリッサはスタスタと廊下を歩き出したので、あわててブランも後を追う。
「アリッサさん、体調は大丈夫なんですか?」
「あたりまえだ。ねぼすけのあんたに言われるようじゃ、あたしもヤキがまわったねえ」
「…………」
ブランは、アリッサが健康であると判断した。彼女の場合、皮肉が健康のバロメーターなのだ。
ルテラ教の教会というのは、基本的に同じ構造のようである。ここは、ヨルム北区、議員会館近くにある教会のはずだが、廊下を進むブランは、以前にガラム老師の遺体を探査した南区の教会にいるような錯覚を覚えた。




