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声の主は、シスター・サリサであった。


「あ…うう…」


ブランの頭はまだ朦朧としており、体もきしんで痛かったが、なんとか身を起こすことはできた。窓から差し込む光から、すでに日が高く登っていることがわかった。


「もう起きて大丈夫ですの?無理をなさってはいけませんわ」


「はい…えっと…ここは?」


「ルテラ教の教会よ」


シスターの話だと、ここは議員会館から歩いて五分程のところにあるルテラ教会らしい。


「…そうだ!!アリッサさんは!?」


あわてて飛び起きようとするブランにシスターが微笑みかける。


「大丈夫。とってもお元気よ」


ブランとアリッサは、議員会館の中庭に倒れているところを、魔物の骸を浄化にやってきたシスターの同僚であるヒーリング部隊に救助されたらしい。

ブランは気を失っていたが、アリッサは意識があり、事の次第を隊員の神官たちに伝えたため、ウォルター議員による認可の元、護法騎士団一個中隊二百名とヒーリング部隊の神官十名が、夜明けとともに廃倉庫に派遣されたようである。


「アリッサ様は、今向かいの部屋で休まれています。まもなく…」


そこで、シスター・サリサは一瞬口をつぐんだ。


「まもなく、ブン・ラッハ様のご遺体がこちらに到着いたしますので…」


そう言うと、シスターは顔を伏せた。ブランも「そうですか…」としか言うことができなかった。ウォルター議員によって集められた五人の魔術師たちのうち、すでに三人もが帰らぬ人となっていた。


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