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「ダラス様は、魔物の魔力痕とやらをたどっていかれました。後から他の魔道士が来たら自分を追うよう伝えて欲しいとのことでした」
「先走ったか…まあ大丈夫だとは思うが」
「というと?」
護法騎士の疑問にアリッサが答える。
「やつは魔物の召喚現場へ向かったのさ」
「召喚現場!?」
「ああ。今、ここら辺や議員会館の辺りには、ワイバーンゾンビが残した魔力痕がたっぷりと残っている。これをたどって行けば間違いなくやつらが召喚された場所にたどり着くだろう。それもすぐ近くにな」
アリッサの最後の一言に騎士が驚きの声をあげる。
「で、では!!あの魔物たちは、ヨルムの街のどこかで召喚されたと!?」
「ああ。考えてもみな、あれだけの魔物を引き連れて移動すれば目立つだろう、何らかの目撃情報が出てこなきゃおかしんだよ。これがもし、いきなり近所に出現したとすれば、あたしらが魔物を探知できなかったことと合わせて、すべてにおいて合点がいく」
アリッサは、騎士にというよりも自分の考えを整理するために話しているようにブランには見えた。
「やつなら簡単にどうこうなることはないとは思うが…とにかく急いでダラスの後を追った方がいいだろう」
そう言うと、アリッサはスタスタと通りを歩きはじめた。
ブランが慌ててアリッサに駆け寄る。
「アリッサさん」
「何だい」
「魔力痕を探さなくていいんですか?ほら、なんかゆっくり歩いたり…」
ブランは身振りを交え、老師殺害現場やレイモンド誘拐現場でアリッサがやっていたことを再現した。
「ああ、ありゃ魔力痕自体があるかどうか微妙だったから慎重にやったのさ。こんだけ残留魔力がはっきりしてりゃ集中する間もなく感じとれるさ」
アリッサは、相変わらず早足を止めることなく答えた。
「なるほど…」
ブランには、やはり魔法の理論は難解のようだ。彼は難解な顔のままアリッサの後に続き、さらにその後ろにブン・ラッハがついて来ていた。




