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「ゾンビ…パウダー」
「ああ」
「何か、めちゃくちゃ不吉な響きなんですけど、どんなものなんですか?」
「闇の魔術師たちが使う邪悪な薬だよ。死者にふりかけるとゾンビとして蘇えり、ゾンビ達にとっちゃ最高に美味い酒みたいなもんだね。前に退治した闇魔術師から没収しといたんだが、役に立ってくれたねえ」
「なるほど…それでさっきはあいつらをおびき寄せたんですね」
早足で歩きながら感心したブランであったが、ふと何かに気づいたようだ。
「あれ?ちなみにそのパウダー、生きてる人間にかかったらどうなるんです?」
「ああ、発狂しちまうね」
あっさりとそう言ってのけたアリッサに驚愕し、ブランは転びそうになる。
「ちょっ!!…ええっ!?だったらもっと慎重に渡してくださいよ!!僕が発狂したらどうするんですか!!」
「しかたないだろ、時間がなかったんだから」
どうやらアリッサはすねてしまったようだ。
「いや、でもですねえ…」
転びそうになった拍子にズレてしまった眼鏡を直しながら、ブランがなおも食い下がる。
「大丈夫さ。ちゃんと袋に入ってたじゃないか」
「うう…」
ブランはまだ何か言いたげだったが、裏口の扉らしきものが見えてきたので、それ以上の追求は断念した。袋を握ってしまった手をものすごく洗いに行きたかったがそれも断念した。
そして二人は、いよいよ裏門をくぐり抜け通りへと出た。




