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「先ほど皆様には紹介したのだが、こちらは護法騎士団のスナイダー団長だ」
ウォルターに紹介され、彼の隣にいた男が立ち上がる。年は四十前後だろうか、こげ茶色の髪に青い瞳、口ひげをたくわえた、どことなく貴族的な印象を受ける人物だ。
「スナイダーです。よろしくお願いいたします」
スナイダーは、アリッサたちに軽く挨拶すると、再び席についた。
「さて、これで全員そろいましたな」
ウォルターが一同を見渡す。
「本来なら、我が家にお招きし、じっくりともてなしたいのだが、なにぶん事情が事情なので、このような場所での会となってしまい申し訳ない」
レイモンドの身を一番案じているのは、おそらくウォルターであろう。しかし、あくまで落ち着いた態度であり、公的な姿勢は崩さないようだ。
「さあ、それでは堅苦しいことは抜きにして、さっそくいただきましょう」
食事は、焼きたての数種類のパンに、鳥肉のシチューと魚の包み焼き、サラダやデザート類もつく、なかなかに贅沢なものだった。しばらくは、ウォルターをホスト役に皆で歓談していたが、やがて話題はやはり事件のことに流れていった。
「まだ、犯人からは何の要求もないようですな」
スナイダー団長が、眉間にシワを寄せて話す。本来ならば、このような要人の息子の誘拐といった事件の捜査で陣頭指揮をとるのは護法騎士団なのだ。しかし、今回は魔道絡みの犯行であるため、騎士団は一歩引いて、あくまで現場のサポートに徹している。やはり、性分なのか事件の進展が気になるようだ。
「うむ、相手の出方がわかれば、こちらとしても何らかの手を打つことができるのだが…」
ウォルターが苦々しげにそうつぶやいた時であった!!
「クキェェェェェ!!!!!!」
不気味な声が室内に響き渡った!!




