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午後の探査は、レイモンドが誘拐された現場である議員会館近くの通りで行われた。事件後すぐにハートストンが探査した時には、強力な闇の魔力痕が残っていた場所だ。もっともハートストンの魔力では、それ以上の手がかりをつかむことはできなかったのだが。

今回は、アリッサやダラスといった強力な魔法使いや魔道士が現場を探査したが、やはり結果はかんばしくなかった。すでに事件から一週間が過ぎてしまったため、魔力痕そのものがなくなってしまったようなのだ。


「これじゃあ仕方ないね」


アリッサの一言をもって探査は終了となった。


「まだ夕食まで時間があるだろう。ちょっと出かけてくるよ」


アリッサは、ハートストンに有無を言わさず、ブランを連れて街へと繰り出して行った。


フィンの首都ヨルムは、東西南北の四つに区分けされている。官庁街を中心とした北区、『太陽の家』など福祉施設が立ち並ぶ西区、居住地域である東区、商業地域である南区、と大まかに分けられる。

ブランとアリッサは、歩いて行ける距離にある北区の商店街に来ていた。

やはり官庁街が近いだけあって、品のいい店が立ち並ぶ。


「ここにするか」


そこは、園芸用品や大工道具などを扱う、なかなか大きな店舗だった。アリッサは、集合時間だけ決めると、とっとと店内に入っていってしまった。

仕方なく、ブランも店内をぶらぶらと歩くことにした。これといって趣味のないブランだったが、カラフルな園芸用具などを見ていると、今度何か野菜でも育ててみようかという気になってくるから不思議なものだ。

ブランが植木鉢のひとつを手にとって見ていると、すでに買い物を済ませた様子のアリッサがやってきた。


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