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「やはりな」
その時アリッサの口からつぶやきが漏れた。どうやら二人とも探査が終わったようだ。
ダラスがアリッサの方を向き意味深にうなづく。どうやら二人の見解は、ここでも一致したようだ。
「ハートストン殿、探査の結果について、場所を移してお話したいのですが、よろしいですか?」
ダラスの提案はすぐに受け入れられ、シスターのはからいで、先ほどの廊下にある別の部屋に皆は移動した。木製の机と椅子が十ほど並べられた、何かの講義に使うような部屋だった。
「それでは、私から報告させていただきます」
皆が適当な場所に座ると、ダラスが立ったままうっそりと話しはじめた。
「昨夜の事件…魔力痕は一切存在しませんでした」
ダラスの言葉に、ハートストンが驚きのあまり立ち上がる。
「ええっ!?そんなバカな!!それでは、物盗りの犯行だとでもおっしゃるんですか!?」
「いいや、間違いなく魔法がらみの犯行だね」
今度は座ったままアリッサが答える。
ハートストンは完全に混乱してしまったようで、ダラスとアリッサの顔をおろおろと見比べている。
「私も、この件には魔道を使うものが暗躍していると考えております。しかし、魔道痕が全く見つからなかったのも事実です」
「ダラス様、それは一体全体…」
「魔力痕どころではなく、ガラム老師のご遺体からは、一切の魔力が消え去っていました」
「なんと!!」
ダラスの話によると、魔力というのは、その持ち主の死とともにたちどころに消え去ってしまうというものではないらしい。
むしろ、生前に強い魔力があればあるほど、その肉体の周囲に魔力が残留するというのだ。魔力を持ったものがゾンビ化や死霊化すると、その凶悪さは、通常の不死族の比ではないらしい。




