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「シスターは、今近くの教会で、ガラム老師のご遺体に祈りを捧げています。我々も後でそちらへ向かいますよ」
ハートストンは、ブラン相手だと話がしやすいようで、口がいつもよりなめらかになっている。
「そうなんですか…」
ハートストンの話によると、議員会館での会合の後、ガラム老師は南区のはずれにある小さな宿屋に予約を入れていたらしい。南区の大通りからその宿屋に向かう途中にあるのがスレプ通りだった。
遺体は、夜警をしていた護民騎士によって発見され、腹部を何か丸太の様なもので強烈に殴られた跡があり、その一撃により絶命したとのことだった。
「本来ならこのような魔力痕の探査は、ガラム老師の最も得意とする分野だったのですが…皮肉なもんですねえ」
ハートストンはため息をつく。
「魔力痕っていうのは何なんですか?」
「ああ、それはですねえー」
魔物や魔力を持ったものが現れたり、魔力を行使した時、現場には多かれ少なかれ必ずその魔力の痕跡が残るらしいのだ。
「レイモンド君の誘拐現場には、私でも感知できるくらいの闇の魔力が残されてました。もし、あの現場にガラム老師やアリッサ様がいらしてたら、犯人の居場所まで突き止められたかもしれませんねえ」
つまり、魔力が高く有能な魔法使いであればあるほど、現場から多くの情報を引き出せるということのようだ。
ダラスの所属する魔道王国の王グリムスなどは、その玉座にいながらにして、世界のどこにどれだけの魔力を持ったものがいるか感知できるらしい。




