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翌日、『太陽の家』には朝一番で護法騎士の伝令がやって来ていた。
「おいブラン。騎士の人がすぐ下に来て欲しいってよ」
結局うちには帰らず、事務室のソファーに泊まったブランは、宿直だった先輩介護士のフリントに揺り起こされた。
「ううっ…」
何か事件がある時に二日酔いになるパターンが自分は多いな、などと考えつつロビーに降りて行くと、すでに起きていたアリッサが、護法騎士と向かいあって座っていた。
「おやまあ、相も変わらず飲んだ次の日は青い顔になるんだねえ、たまには違う色になってみたらどうだい」
アリッサの皮肉は、朝一番だからといって決してさわやかになることはない。
「それでは、お伝えさせていただきます」
本題はちょうどこれから始まるようだ。ブランはあわててアリッサの隣に腰をおろした。
「そんな…」
護法騎士より、ガラム老師殺害の事実を知らされブランは絶句した。隣にいるアリッサも複雑そうな表情をしている。例え、お互いいい感情を抱いていなかったとはいえ、こんな結末では後味が悪かろう。
ブランとて、確かにガラム老師に腹も立てたが、やはり老人福祉への思いがあるためか、なんとかアリッサとガラムという頑固な二人の距離をちぢめられないかと考えてもいたのだ。
続いて騎士からは今日の予定の大幅な変更が告げられた。本来予定していた誘拐事件の現場検証は、翌日に持ち越すこととなり、今日はまず昨夜の事件現場に行き魔力の検証をし、その後、老師の遺体と対面することになったのだった。
「ウォルター様、ハートストン様ともに、昨日の事件は、レイモンド様誘拐事件と強い関連性があると考えておいでのようです」
騎士が、やや声を低めて告げる。アリッサもそれには大きくうなづく。
「まあ、それ以外に考えられないだろうね」
アリッサは、そのまま腰をあげる。
「遠回りになっちまうから、あたしらは直接現場に向かうけどかまわないね?」
「あっ、はいそれはもう!!」
「ブラン、何をボサっと突っ立ってんだい。とっとと出発するよ!!」
アリッサの威勢のいい声が朝のロビーに響きわたった。




