26
「ちくしょ〜!!」
三人が思い出話をつまみに話を弾ませていると、突如、奥のカウンター席から女の怒鳴り声が聞こえてきた。どうやら、一人寂しく飲んでいるうちに感情が高ぶってしまったらしい。店長がなだめているが、いっこうに怒りがおさまる様子がない。
「うわっ、こえ〜な」
奥をのぞきながらナップがささやき声をあげる。
「なんであたしがこんな目にあうんだよっ!!」
ブランも、思わず女の方を振り向いた時、後ろ姿だった女がちょうどこちらに顔を向けた。
「ああっ!!」
ブランは、思わず悲鳴をあげた。
「ああっ!!」
女の方もこちらに気づき、同じような声をあげる。
「あの時の介護士!!ってことは…」
女の目線がブランの隣にうつる。
「久しぶりだね、メイシン」
「アリッサ!!」
女の正体は、自称アリッサのライバルの魔女、メイシンであった。
肩や胸元もあらわな紫色のドレスに身を包み、一見肉感的な美女なのだが、実年齢はアリッサと同じというとんでもない人物である。
「相変わらずだねえあんたは。体はすっかり柔らかくなったのかい?」
「大きなお世話よ!!」
魔女でありながら、キリー村であっけなく石化させられてしまったことを揶揄され、メイシンの顔に青筋が走る。
以前ブランがアリッサに聞いた話だと、元々彼女は、アリッサに匹敵する程の魔力の持ち主だったのだが、若さと美貌を維持するため、おのれの魔力の大半を注ぎこんでしまったため、今や大した力もない三流魔女に成り下がってしまったようなのだ。




