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「ガラム様、これを」
それまで、呆然と成り行きを見ていたハートストンが、我に返ったように老師の元へ行き、自分がさんざん使っていた手布を差し出す。
「結構じゃ!!これ以上、このような世俗の魔法使いと同席するつもりはない!!」
そう言うと、ガラム老師は立ち上がり、足早に部屋から出ていった。その後をハートストンがあわてて追いかけていく。
「ふうむ、まいったな」
ウォルターはそうつぶやくとヒルダに視線を送り、進行を続けるよううながした。
「それでは、これより先生は議会の方に戻られますので、わたくしの方から、みなさまに今後の日程等についてお話させていただきますわ」
ヒルダは、何事もなかったかのように話し始める。
「でも、あの…」
ガラム老師の出ていった方に心配そうに顔を向けるシスター・サリサに、ウォルターが話しかける。
「大丈夫ですシスター。議会に戻る前に、私が老師ともう一度話をしてみよう。日程については、改めてヒルダから伝えてくれ」
「わかりました」
「それでは皆さん、申し訳ないが、これにて失礼させていただく。息子が誘拐されているのに、情のない父親と思われるかもしれないが、国政を預かる身としては、これが精一杯のできることなのだ。どうか理解していただけるとありがたい。そして、息子をどうかよろしく頼む」
そう言うと、ウォルターはキビキビとした動作で部屋をあとにした。
「それでは、説明させていただきますわ」
ヒルダの無機質な声が会議室に響き渡る。




