回想
今回は静かな話書きたくてさおりの軽い回想と思ってたんですが……熱が入って長くなってしまいました。
結構大きい出来事もダイジェストになったり、書きたいとこだけ結構長く書いたり……うーんどうしようかと思いましたが……
分割とかせずに書きました。
書いてる自分は楽しかったですがわかりづらい点多いかもしれませんがご容赦ください。
学校帰りの公園でだべってる設定です。
ツッコミどころ含めて楽しんでくれたらいいなあ……と思っております。
──学校帰り公園へ寄り道した日にて──
え?私の昔話聞きたいんですか先輩?うーん……ほとんどお姉ちゃんのことになっちゃいますよ?
え〜と、共働きの両親の元で
長女、次男、末っ子の私のさんきょうだいで普通の家庭で育ちました。
……わたしはお姉ちゃんっ子で幼い頃からどこに行くにも傍から離れずそれが当たり前でした。
遊びも習い事もお風呂も寝る時もトイレの中までついて行くからよくばかにされたものです。
幼稚園の送り迎えもお姉ちゃんがしてくれて、暑い日も寒い日も雨の日も風の強い日も面倒みてくれてました。
ある日、お姉ちゃんがいつも通り自転車で迎えに来たんですが、後部座席でわたしがバカみたいに服を引っ張ったせいで、お姉ちゃんが転けてしまい
大怪我をさせてしまったこともありました。
その膝の傷の跡は今もずっと残ってしまってるんです。
ほんとにそれが申し訳なくてその時はずっと泣いてたんですが、
お姉ちゃんは何事もなかったようにじゃれていじめて笑ってました。
そんなお姉ちゃんがずっと大好きなんです。
悪いことをしたら叱ってくれたりもして母親みたいな存在でもあります。
わたしが小学3年生になった頃にはお姉ちゃんは大学受験で忙しくなって、全然遊んでくれなくなりました。
その頃、わたしには女の子の友達がいなかったのもあり、妥協で当時小五の次男の友達の輪に無理やり入れてもらいました。
やんちゃな男の子のグループだったのでばかなことばかりしてました。
無茶をしてお姉ちゃんに心配させたくはないけど構われたいという矛盾などやな感情がいっぱいで……
挙句、お姉ちゃんのお下がりの服をボロボロにしてしまって叱られて自分もカッとなり喧嘩もしました。
まあ喧嘩は今でも毎日のようにしてるんですけどね。喧嘩するほど仲が良いみたいな。
あっという間に仲直りもしますし。
お風呂に一緒に入る時は大体仲直りの合図だったり……
そして転換期が訪れます。
その日、お姉ちゃんが受験勉強の息抜きということで一緒に近所の商店街行くことになりました。
通い慣れた所ではあるものの久しぶりに構ってくれてウキウキしていました。
私がリードしようと意気揚々とお姉ちゃんの手を引きましたが、勢い余ってお姉ちゃんと繋いでいた手を振り払ってしまい、大見得切ったにも関わらずはぐれてしまいました。
そして私は商店街の路地裏のシャッター街に迷い込んでしまったんです。
いつもの散歩とは違い少し怪しげな風景が逆に新鮮で、迷子になった恐怖などは微塵もなくその小さな探検に胸が弾みました。
暫く歩いているとビルとビルの間に不思議な細長い建物を見つけました。気になって近づいて暫くじっと見つめてると、オシャレな立て看板が目に入ったんですが、何のお店かはわたしには難しくてわかんなかった…けど……
「………」
吸い寄せられるようにその細長の建物の中に入りました。
薄暗い無人のエントランスを無視して通り過ぎ、なんだか小さくて頼りない階段を見つけて上がろうとするも、
右左どっちの足でで階段を踏みしめればいいかわからず悪戦苦闘して、小学3年生にしては少し小さい自分の身長と同じくらいの高さの手すりを掴みながら一段一段ゆっくり上りました。
上の踊り場にあるドアのガラスから漏れた光を目指してつらさを押しのけて一心不乱によじのぼり続けたんですが、
階段があと1段のところで前のめりにビタッ!!と両手を地面について転けて膝も怪我したんですが、痛いことよりまた服を汚してしまったことに青ざめて泣いてしまいました。
泣きながらドアを開けた先に目に入ったものは、
リクライニングチェアに身体を預けてるハゲたおじさんと、その人のお髭を剃ってる綺麗な女性の立ち姿でした。
その隠れ家みたいに所在しているお店は理容院だったんです。
ドア開けるなり泣いてるわ汚れてるわ怪我してるわ何しに来たかわからない子供が入ってきたので大騒ぎになってしまいました。
私が持ってた携帯電話からGPSで辿って、後からすぐお姉ちゃんが駆けつけてくれ事なきを得ましたが。そこが変なお店でもなかったのも救いでしたね。
理容師さんに手当てしてもらった怪我の跡を見たお姉ちゃんの凄く動揺してた顔は忘れられません。
「私のせいでごめんね……」
と抱きしめられながら謝られた時は罪悪感で胸がいっぱいになりました。
まだ強く叱られたほうがよかったです。
なんでこんな私ってバカなんだろうって。
ただお姉ちゃんにこんな場所見つけたよって自慢気に言いたかっただけでしたしね。
迷惑をかけたので早々に謝って帰ろうとすると、理容師さんはせっかくだからと髪を切らないかと提案してくれ、でもお姉ちゃんはオシャレとかそういうのにうるさくてとてもやるタイプじゃないので、選択の余地なくわたしが切ることになりました。
だってですよ?いつも行ってたとこは美容室だし、理容院と美容院の違いがわからない上にお客さんハゲてるし。
ハゲたおじさんの髪切るのなんてわたしでもできそうとかバカなこと考えてました。
理容師さんが何かを察したのか「大丈夫。嫌ならすぐやめるし、変なことには絶対ならないから」と自信ありげに言うもんだから私は任せることにした。
普段どうしているか色々聞かれたが、さっぱりわからないことをそのまま素直に伝えると、髪を整えてから私でも簡単にできるヘアアレンジなどを気さくに教えてくれました。
私の髪の長さも胸くらいまでのセミロングより少し長めくらいで色々弄りやすいのだとか。
さっきまで泣いてたのが嘘かのように顔がほころび笑顔がこぼれていました。
その時思ったんです……「お姉ちゃんみたいになりたい」と。
そのおこがましい願いは実際に言葉を口に出してしまっていて、理容師さんは二つ返事で引き受けてくれました。
しかしそうなると勢いで決めていい事ではないので、お姉ちゃんと理容師さんがまず二人で相談しあい、
なるべく世間体を考えて限りなく近づけるという方向性ということになる。
お母さんとも連絡を取り無料ではなくサービス価格でカット施術ということに落ち着きました。
こんな形で2年越しのぼんやり抱いていた願いが叶うとは思ってなくて。
あの事故以来なんとなく髪を伸ばし続けていてきっと心の中ではずっとお姉ちゃん憧れていたんですよね。
施術後、可愛いバタフライカットに仕上がり自分でもびっくりするくらい生まれ変わった気持ちだったのに、第一声が「なんか私顔小さくなった!?」と残念な感想しか出てこないのが私らしいです。
理容師のお姉さんにクスクス笑われたのは後から思うと恥ずかしい。
顔周りにレイヤーを入れたから小顔に見えるんですけどね。
お姉ちゃんも少しぎこちない笑顔でした。
それから浮かれて周りに自慢する日々が続きました。
毎朝セットしてくれるのはお姉ちゃんなのに私が誇らしげで。
そう、またお姉ちゃんに負担をかけてしまっていたんです。
最初から言ってましたがお姉ちゃんは母親代わりでもあったんです。
自分のことばかりで私は……
そして出来事はいつも突然で。
お姉ちゃんが私の髪切ると急に言い出したんです。
お姉ちゃんが好きでお姉ちゃんだけを信じてきたので反対はしなかったんです。というかできませんでした。
今でも可愛いのになんで?と疑問は胸中にはありましたが。
そして結果中途半端な変な髪型になってました。……結果また喧嘩になりました。
お姉ちゃんはなんでもできると思いこんでたので落胆もしました。
なんで一度もカットの経験ないのにこんなことしたのか……
このままじゃ学校に行けないので、お母さんと例の隠れ家の美容師さんに頼りました。
幸いまだなんとかなるということなので、髪を整えながら切ってボブカットにすることができました。
ちょっと前髪短く活発そうな見た目だけどこれなら手入れも自分でできるので気に入りました。
お姉ちゃんも私を心配して後から駆けつけて
理容師さんに涙目で深くお詫びもしてる姿はなんだか自分の胸も痛くて泣いてしまいました。
お姉ちゃんの顔はとても辛そうで、多分わたしが悪いんだとなんとなくだけど感じ取りました。
お姉ちゃんは「まるで魔法のようだね」と安堵するように笑って、私は頷き……またいつの間にか仲直りしていました。
それからこの隠れ家に二人で通うようになりました。
元々私はそこまでオシャレに興味はなかったので、お店の棚にあったバスケ漫画を読破してました。
お姉ちゃんは美容師のお姉さんとあの一件以来仲良くなり、凄く楽しそうでなんだか遠くに感じてしまうことが多くなり寂しくなった。
でもこの隠れ家を最初に見つけた時、看板を見て真っ先にお姉ちゃんの顔が思い浮かんだよ。
こういうオシャレな感じ絶対好きだと思ったから。
それからたまに私はお姉ちゃんの実験台として髪を切られることもあって、どんどん上達していくのを間近で実感して、こうやって頑張れるから凄いお姉ちゃんになったんだと思いました。
私がくっつき虫をやめたのは、お姉ちゃんが美容師を目指すことを決めた時からかもしれません。
私はと言うと隠れ家の漫画の影響を受けて、お母さんとお父さんに頼み込んでバスケケットボールをやることになります。
初めて自分の意思で決めたことです。
自分はお姉ちゃん憧れてましたがそうなれないのはわかってたから、だからこそ自分で考えて自分の道を進もうと思えたのかもしれません。
バスケ始めてから暫くしてミニバス(小学生のバスケットボール)の大会にお姉ちゃんが応援にきてくれました。
ここから始まった手土産ドナーツ地獄はまた別のお話。
私の活躍を見たお姉ちゃんは「元気に走ってるのがさおりらしいね…これは私にはマネできないことだよ」って言ってくれました。
単純だけどバスケットボールが一生やめられないくらい好きになりましたね。
少し不満なのは年々お姉ちゃんが美人になってることですね。ほんとずるい。いつまでも私の1歩先を行く存在です。
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「……さおり語ったら止まんねえな」
「ごっごめんなさい!!先輩!」
「いやいいんだ聞いたのは私だし。さおりがこんな情熱的だったとはな……途中話しかけてもスルーされた時は涙目になったぞ」
「えへへ、照れますね」
「いや褒めてないんだが」
「今度は先輩の事も教えて下さいよ」
「え?私?……うーん……いいよ私は」
「えー、聞きたいですよお」
「さおりみたいになんかあるわけじゃないし、親は毎日家に引きこもって変なアニメの必殺技出す練習してるだけだしなあ……まあそいつらの愚息だよ」
「う、うーん。…………先輩、愚息じゃ男になっちゃいますよ」
(どうしよう思ったより先輩の地雷っぽいな)
「……さおりの話はお姉さん尊敬してると感じ取れるから好きだ。髪の事があっても大好きでいられるのも凄いし……だからこんなキラキラしてるんだな
……バスケ上手いってのもマジリスペクト!」
「先輩……。私がバスケやってるとこ見たことないですよね?」
「いやその巷の噂で上手いと言われてるから!!!……はい見た事ないです」
「もー、先輩じゃあ見学来てくださいよ」
「えぇ……あのキラキラ軍団の基地に?……うーん」
「怖くない怖くないみんな友達」
「バカにすんな!!」
「見学にきたらバスケ教えますよ。先輩私より背高いから向いてそうですし」
「入部はしないぞ!マネージャーならいいが」
「ほんとですか?マネージャー募集してますよ?普通にきついとは思いますが」
「やめとく」
「ふふ、遊びにはきてくださいね」
「おお!」
「……じゃあそろそろ帰るとするかさおり」
「そうですね」
「んー……この時間帯は親父が炎殺〇龍波の練習してるな」
「え……」
(冗談じゃなかったんだ……)
読んでくださりありがとうございます。
自分の中で「兄弟」「姉妹」の弟、妹ってのはイジメられガチだけど不思議と仲良いイメージでしたので、さおりにもイジメられてるというワード使いました。
今回は回想にもセリフあってわかりにくさがいつも以上に爆発してたかもしれないです。
ほんと読んでくださりありがとうございます。
ちょっと完成急ぎすぎたので後々弄るかもしれないのでよろしくお願いします。




