第二話 【楽屋裏トーク】
(楽屋裏トーク)
――ピツ、と空間のノイズが消え、2回目のマッスルポーズでカメラレンズを割った直後の控室。
モスト:「ハロー、画面の向こうで私の物語をスクロールしてくれている君! 第2回の筋肉パトロール配信はどうだったかな? オーガロードの超重撃をフロント・ダブル・バイセップスで受け止めるシーンは、我ながら実に素晴らしい大胸筋のワークアウトだったと思うぞ!」
剛力モストはドロッとした特製プロテインを豪快にシェイクしながら、画面の向こうの読者を真っ直ぐに見つめて、素の真摯なトーンで語りかけてきた。
そこへ、背後からあきれ顔の受付嬢ひよりが、本日2枚目となる新しいバスタオルを抱えてツカツカと歩み寄ってくる。
受付嬢ひより:「モストさん!! 今日も最後の挨拶の圧だけでドローンのカメラレンズに追い打ちをかけるのやめてください! ギルドの備品班が『モストさんの配信のたびにカメラの在庫が死ぬ』って泣いてましたよ!
……あと、最後のあれ何ですか? 身体を動かした後は他人に優しくするのがプロテインの吸収にいいって、そんなわけないじゃないですか、笑」
モスト:「はーはっはっはっ! ひより嬢は相変わらずつれないな! だが筋肉を追い込んだ後に慈愛の精神を発揮することは、筋肉のワークアウトとして最も理にかなっているのだからな!」
受付嬢ひより:「だからプロテインの吸収とも筋肉のワークアウトとも1ミリも関係ありませんってば! もう、強さは世界1位なのに、どうして頭の中はそんなに天然なんですか」
プンプンと怒りながらも、モスト先輩の無茶を本気で心配し、タオルを頭に優しくかけてくれる受付嬢ひより。
モストはタオルで頭をガシガシと拭きながら、再び読者へと最高の笑顔を向けた。
モスト:「ガイズ! もし今日の筋肉パトロール(第2話)が気に入ってくれたなら、画面下にあ【ブックマーク・評価】という名の、君たちの熱い『チャンネル登録・高評価』を全力で叩き込んでくれ! 君たちのその1ポチが、私の盾をさらに強くする最高のプロテインになるからな!
次回新・第3話:『リリィを傷つけた絶対筋肉障壁の孤独』だ! 筋肉を鍛えて待っていなさい!」




