第85話
「探したよ」
「ボクを?」
「僕に何も言わないなんて、何て薄情者だと思ったよ」
「今までどうしてたの?」
トトトゥーナをムイフレスが翼で隠した。
ロキフェルドはにこにこと笑う。
「仲が良さそうで僕も嬉しくなるね」
まるで友人かの口振りである。
「何故エマーマを唆したんですか?」
エドモントは睨みつけているアンズの代わりに説明を求めた。
「ん? だって普通の再会なんて、そんなのつまらないじゃないか。これはいわばサプライズだよ。その方が面白いでしょう?」
「そんな理由でエマーマを唆したんですか? 即効性じゃない毒でも毒ですよ? それを番様に飲ませるなんて、あなたどうかしてますよ」
「御託はいい。死ね」
ムイフレスは人差し指をロキフェルドに向けると、魔方陣が構築する。
ロキフェルドは魔方陣に向けて息を吹きかけると、魔方陣はコロコロと転がっていき消えていく。
ムイフレスは眉を寄せ、ロキフェルドは笑った。心の底から。
「アハハ! 僕を殺すだって? 面白いね! アハハ!」
ロキフェルドはムイフレスに人差し指を向ける。
するとムイフレスの肩に穴が開き、血が溢れ出る。
ムイフレスは眉を寄せ、肩を押さえる。
翼で隠されていたトトトゥーナは強引にそこから出ると、肩から血を流しているムイフレスを見る。
目を見開き、怒りに唇をわなわなさせる。
「ロキ!」
ロキフェルドに顔を向けると、顔の近くに移動していた。
ビクッと驚くトトトゥーナにロキフェルドはにっこりと笑った。
「そうだよ。君に呼ばれる名前だ」
トトトゥーナは眉を下げる。
「ムイを傷つけないで。人を唆さないで」
「殺されそうになった僕にそれを言う訳? それにエマーマは金を払って即効性の毒を買おうとしていたんだよ? 昔の君なら毒ぐらい解毒しちゃうだろうけど、今の君は分からないからね」
エマーマが逃げ出そうとしたのをロキフェルドは息を吹きかけるとエマーマは硬直して倒れた。職員とアンズが倒れたエマーマの様子を窺う。
「トゥーナの番は僕よりも先にあの娘を殺すべきじゃない?」
エマーマの体が浮かび上がる。
ムイフレスはエマーマに人差し指を向けると、眉を下げたトトトゥーナがその指を掴む。
「ムイ。ボクは大丈夫なの。だから殺さないでなの」
「心配するな。番が危険に晒されたらそれを排除する、それは殺すことも含まれている番の行動は法律でも許されている」
「そ、それでも殺さないでほしいの」
「分かった」
トトトゥーナはホッとするが、ムイフレスは言い放つ。
「トゥが見ていない所で殺す。それならいいだろう?」
「全然よくないの! お願いムイ! 殺さないで!」
「トゥの願いを叶えよう」
トトトゥーナはホッとし、ロキフェルドはつまらなそうに手を払うと、エマーマは落下し、職員とアンズが慌ててエマーマを受け止めた。
「ロキフェルド様」
声が、した。




